Skip to main content
ニュース
「ゴー、トミー!」 地元は会場からわずか50キロ フリートウッドが大声援を背に首位T発進
地元が近いトミー・フリートウッドが首位タイ発進(撮影:GettyImages)

<全英オープン 初日◇20日◇ロイヤル・リバプールGC(イングランド)◇7383ヤード・パー71>
 
晴天の中で進んだメジャーのファーストラウンドで、トミー・フリートウッド(イングランド)が5アンダーで回り、首位タイの好スタートを切った。


「最初の数ホールはティショットにばらつきがあったけど、落ち着いてきた5番のパー5でとても良いプレーができた」とバーディを先行させて流れを掴み、直後の6番パー3でスコアを落としたものの、「そのほかは良いゴルフができたと思う」と、ラウンド後のフリートウッドは笑顔を見せた。
 
そんな32歳を後押ししたのが、コースに寄せかけたギャラリーだった。フリートウッドが生まれたのは会場のロイヤル・リバプールGCから北へ約50キロの位置にある町、サウスポート。富裕層が集まるシーサイドタウンだ。
 
コース上の各所で聞かれた「ゴー、トミー!」の声に応えるかのように、フリートウッドはアイルランド海から吹き込む“強くて重い”風の中で好ショットを連発。「66」でホールアウトした。2017年のロイヤル・バークデール大会、19年のロイヤル・ポートラッシュ大会、そして昨年のセント・アンドリュース大会では3日目にこの数字を出している。翻ってこの日は、初日から勢いに乗ることができた。やはり地元民からのサポートが彼を奮い立たせたようだ。
 
「イエス、超クールだった。これ以上ないほどの声援をファンは僕に送ってくれた。1番から18番まで、素晴らしいサポートをしてくれた。地元から近い場所で全英オープンをプレーできるのは格別。ギャラリーに良いゴルフを見せられて本当に嬉しいよ」
 
とはいえ、大会は開幕したばかり。今後の3日間は長いものだ。イングランド人として最後にクラレットジャグを掲げたニック・ファルドが、92年に全英を制して以来、31年にわたりその偉業は達成されていない。そこにたどり着くためには、フリートウッドは2日目以降も継続して好プレーを続けなくてはならないのである。
 
この日のフリートウッドは序盤をパーでしのぎ切り、自身が話したように5番パー5で初バーディを奪い流れを引き寄せる。その後、安定感のあるゴルフでバックナインにたどり着くと、そこから一気にギアを上げていく。
 
1アンダーで迎えた11番で8メートル弱の長いバーディパットをねじ込み、14番では3メートルの微妙なパットも沈めた。さらに16番では再び約8メートルのパットを決めて、後半だけで4つ目のバーディ。首位タイに躍り出た。
 
「最近はパターの調子が悪くて、おかげでスロースタートが多かった。きょうも5、6番ホール以降は良いショットが打てるようになったが、パットを決めきれないでいた。でも惜しいのが多くて、あとはカップに転がりこめばいいだけだった」
 
そしてすでに触れたとおり、パッティングの感覚を取り戻したバックナインでリーダーボードを一気に駆け上がっていくのだった。
 
いまだにPGAツアーで優勝経験がないものの、今季のフリートウッドは17試合に出場してトップ10入りは6度。そのうち4回は5月以降のこと。シーズンを通してコンスタントに結果を残していて、先月行われた「RBCカナディアン・オープン」では、あと優勝まであと一歩まで進みながらプレーオフで地元カナダ出身のニック・テイラーに敗れた。
 
「結果を出せるのは、自分がハードワークに努めている証明だと思う。成績を残せれば、それでまた自信を持ててやる気が出てくる相乗効果だ。上位に顔を出していれば、どこかで勝利につながるはず」
 
地元のファンに支えられてプレーできる今年の世界最古のメジャーこそが、フリートウッドに栄冠が訪れる場所になるのだろうか。
 
「こんなに素晴らしいサポートがもらえていれば、何が起ころうが最高の時間になるのは確実。さらに最高のラウンドができれば、良いことだけどね」
 
注目の2日目、フリートウッドは日本時間午後10時48分にティオフを迎える。


<ゴルフ情報ALBA Net>