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グレッグ・ノーマン以来の豪州チャンプ キャメロン・スミス「これはオージーみんなの勝利」
オーストラリア勢としてノーマン以来の快挙となった|(撮影:福田文平)

<全英オープン 最終日◇17日◇セント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7313ヤード・パー72>

あざやかな逆転劇だった。4打差の3位タイからスタートしたキャメロン・スミス(オーストラリア)が途中の5連続バーディを含む8バーディを奪い、この日のベストスコアとなる「64」をマークし優勝をたぐり寄せた。オーストラリア勢としては1993年のグレッグ・ノーマン以来の偉業だ。

今年はスミスの勝利から始まった。米国男子ツアーの2022年開幕戦となった「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」で記録的なトータル34アンダーという成績で勝利を挙げると、3月には第5のメジャーと呼ばれる「ザ・プレーヤーズ選手権」でも勝利。「マスターズ」でも3位タイに入った。そして迎えた今年のメジャー最終戦。何度も近づいたメジャー制覇をついに果たした。

「追う立場でよかった。このコースでは20メートルに乗せてパーをセーブしていくこともできるけど、追っている立場では攻めるしかなかった」。前半で二つ伸ばし、首位のローリー・マキロイ(北アイルランド)を追った。後半に入った時点で3打差3位。ここでギアが上がった。

「リードしていたらきっと違う展開になっていたと思う」。短いパー4の10番で取りこぼすことなくバーディ。11番のパー3で6メートルを沈め「これで後半のカップが大きく見えた」と自信を深めると、そして短いパー4の12番でまたまたイージーバーディ。そして、13番でもバーディを奪うと、ここでマキロイを捉える。

スミス自身がこの日のターニングポイントにも挙げたのはこの13番。最終日は3番目の難易度で、ここでピンそばにつけバーディを奪ったことで勢いが加速した。「ティショットもセカンドも今週一。あれがすべてだった」。続く14番でもバーディ。マキロイを逆転すると、そのまま逃げ切った。

2日目に首位に立ちながらも3日目は「35」パットと、グリーン上で苦戦。スコアを1つ落とし3位に後退。最終組で回りホールアウトは夜だったが、不満の残ったパッティングをその日のうちに修正した。この夜練が実り、最終日は「29」パット。17番でも3メートルのパーセービングパットを沈め、一切のスキを見せずに最後まで走り抜けた。

優勝インタビューではファンへの感謝とともに、「これはオージーみんなの勝利だ」と誇らしげに宣言。ピーター・トムソン、ケル・ネイグル、イアン-ベイカー・フィンチ、ノーマン、そしてスミス。掲げたクラレット・ジャグには「今日はビール2本を入れて」祝杯を挙げるが、「そのあとはクラレット・ジャグ20杯分かな(笑)。実際は疲れ切っているからきっと10時には寝てしまうと思うけどね」と疲労困憊をジョークで笑い飛ばした。

近そうで遠かったメジャー勝利。150回記念大会、聖地開催、そしてメジャー初制覇を果たしたこの日曜日は、生涯忘れられない1日になった。(文・高桑均)

<ゴルフ情報ALBA.Net>