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「絶対にイーブンまで戻す」 中島啓太は17番“トミーズ・バンカー”からパーセーブ→18番バーディ締めで有言実行
アマチュアとしては最後となるメジャーの舞台で、中島啓太は「頑張るのではなく戦う」という強い気持ちで臨んでいる|(撮影:福田文平)

<全英オープン 初日◇14日◇セント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7313ヤード・パー72>

中島啓太(日体大4年)は出だしからつまずいた。1番はセカンドショットをグリーン手前の小川に落とし、2番はティショットを大きく左に曲げてブッシュからグリーンを捉えられず。3番はおよそ15メートルから3パット。聖地で迎えた初めての全英オープンは、3連続ボギーで幕を開けてしまった。

「緊張はもちろんありました」。4番のバウンスバックで1つ獲り返したが、聖地セント・アンドリュースでは北風が吹き、アウトコースはアゲンストのホールが続く。「どうしても難しいショットが残ってしまうのはしょうがない」とある程度割り切ってはいたが、今秋にプロ転向を予定している“プロ0年生”としては、このままホールアウトするわけにはいかなかった。

「いいショットも何個か打てたし、とにかく強い気持ちで戦うということを常に頭に入れて、絶対にイーブンまで戻すという気持ちを持っていました」

2オーバーのまま折り返した後半、さらにギアを入れる。まずは10番、12番でバーディを獲ってイーブンに戻す。直後の13番をボギーとしてが、14番でバウンスバックを決めた。

だが、終盤にさしかかった16番で左ラフからの2打目がグリーンをオーバーして、痛恨のボギー。再びオーバーパーに。そして17番では「入れないこと。グリーンの手前に運びます」と警戒していた“トミーズ・バンカー”に入れてしまう。「入れてしまった時点ではいらだちでいっぱいでした」。でもすぐに冷静になれた。

「18番はワンオンのチャンスがあるとして、(イーブンで上がるためには)17番は絶対にボギーを打てない」と状況を把握。そして強い気持ちを奮い立たせた。60度のフェースを思い切り開いて、勇気をふり絞って振り抜いた1打は、2メートルにオン。「必至にセーブできた」とパーで切り抜けた。

そして最後の18番では“予定通り”の1オン・2パットでバーディ締め。6時間に及ぶ初日の“戦い”を終えた。

「マスターズ」、「全米オープン」と予選落ちを喫して迎えた今季メジャー3戦目。2日間では終わりたくない。「長い1日を乗り越えられたので、あすへの準備をして。アンダーパー目指して戦えたらなと思います」。もう、弱音を吐くことはない。(文・笠井あかり)

<ゴルフ情報ALBA.Net>