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「頑張るよりは戦う」“プロ0年生”中島啓太があらわにした強い意志
中島啓太がアマ最後の海外メジャーに挑む|(撮影:福田文平)

<全英オープン 事前情報◇11日◇セント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7313ヤード・パー72>

世界NO.1のアマチュアとして、中島啓太(日体大4年)が“聖地”で行われる海外メジャー「全英オープン」に参戦する。7日(木)に早めのスコットランド入り。念入りに準備と調整を進めている。

「昨年のコリン・モリカワの優勝インタビューで『世界一のゴルフファンが集まる大会』と話していました。とても楽しみにしていたし、まだ月曜日なのにこんなにギャラリーの方が入られていて、雰囲気も良くて試合が楽しみです」

大会開幕前の11日(月)には世界各地の“王者たち”が集う「セレブレーション・オブ・チャンピオンシップ」と呼ばれるイベントに参加。実際に観客の前で4ホールをプレーし、直に声援を浴びた。プレー中には半分以上は埋まっているギャラリースタンドを見まわしたり、コース横に広がる町の様子を眺めたりする姿も見られた。

『アジアアマチュアチャンピオン、ケイタ・ナカジマ!』と紹介されながら、帽子に手を添えて深くうなずいて挨拶。ナイスショットに拍手が送られると、手を上げてその声援に堂々と応えていた。

今年は「マスターズ」、「全米オープン」に出場して、これでメジャーは3戦目。そして今年秋に予定しているプロ転向まで、あとわずかに迫っている。「アマチュアのキャリアも残り少なくなっていますし、最後のメジャーでいいところで終わりたい」。そのプロに向けた準備は、気持ちの面にも表れている。

「頑張るというよりは戦う、という気持ちです」。今大会の目標について聞かれると、このように答えた中島。アマチュアとして予選突破、上位フィニッシュを狙うというよりは、“プロ0年生”として勝負の地に臨むという気概を感じさせた。

それでも初めての聖地に対して、まだビビってしまう場面も。ホールの右に建つホテルを越えるようにティショットを打つ17番では「ホテルの上を狙うのは怖くて…」と練習ラウンドでは大きく左に狙いを定めてブッシュに入れてしまいがち。そしてワンオンも狙える最終18番は、こちらも右サイドにぎっしりと並ぶギャラリーと建物が気になって、グリーンやや左に打ち出してしまっている。ただ、試合ではこうは言っていられない。「勇気を持って、自分を信じてプレーしたい」と気持ちを奮い立たることになる。

残りわずかのアマチュアロード。マスターズ、全米オープンは予選落ちという結果に終わってしまった。聖地で踏み出す新たなステップは、大きな一歩になるはずだ。(文・笠井あかり)