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ついに開幕した第149回全英オープン 万全のコンディションが整い、最高の舞台でプレーが始まった
最高の舞台にギャラリーが華を添える 今年の全英オープンがいよいよ開幕|(撮影:GettyImages)
<全英オープン 初日◇15日◇ロイヤル・セントジョージズGC(イングランド)◇7211ヤード・パー70>

舞台は整った。最高の舞台だ。


ロイヤルセントジョージズ。イングランド南部に位置するこのリンクスコースは、「全英オープン」開催コースの中においても景観が美しく“絵になる”コースだ。

新型コロナウイルスの影響により、予定していたよりも12カ月遅れで開催される今大会。だからだろうか。コース自体も、あたかも首を長くして待っていたかのように、万全な仕上がりになっている。

前回、ここサンドイッチで選手権が行われたのは今から10年前。その時は、北アイルランドの雄ダレン・クラークが20回目の挑戦にして、ついにクラレットジャグに手を届かせた。

荒天の中で進んだ大会で、アンダーパーでフィニッシュしたのはわずか4選手。激しい雨風に加えて、強いアンジュレーションの利いた独特のリンクスコースに出場選手たちは頭を悩ませた。とはいえ今大会は、風は強いものの晴天が続く予報になっており、少なくとも前回以上のハイスコアになることが予想される。

大会前の前日記者会見。壮観で青々としたフェアウェイとグリーンを見たR&Aのチーフエグゼクティブ、マーティン・スランバー氏は、「素晴らしいコースコンディションをとてもうれしく思います」と表情を緩めた。

「このコースはフェアウェイやグリーンを含めた、多くのボールの落下地点がアンジュレーションになっています。そのため、例えばキックしたボールがラフの奥深くまで入り込まない、フェアなセッティングになることを心がけました」

「また、全英オープンが開催されるほかのコースより青々しく見えると思いますが、これも意識的に行っています。フェアウェイを広めにとることで、ラフが生きてくるフェアなコースにしたかったからです。グリーンの速さは約10フィート程度になっています」

しかしながら、出場選手たちは美しいがタフなこのコースでは、厳しい戦いを強いられることを知っている。世界最古のメジャーを制するための道のりは、簡単ではないことを理解しているのだ。

ロイヤルセントジョージズの数ホールは、全英オープン開催コースの中でも難易度が高い。

「選手たちの成否のカギを握るのは、自分のショットの“ライン”に自信を持つことでしょう」とスランバー氏は分析する。

「ボールがどこに落ちるか分からない、ブラインドになるホールが多いコースですから、どのラインでボールを打つのか、そして自信を持てるかが重要になります。打ってみて、次の地点に移動したらそこにボールがあるか。選手は頭を悩ませるでしょうが、逆に私は素晴らしいことだと思います。非常に面白い、厳しいチャレンジです」

ただし、今大会にはそんな選手たちを鼓舞する存在がある。ゴルフファン、ギャラリーがコースに戻ってきたのだ。大会期間中は、各日3万2000人もの入場者が予想され、初日の午前中にはすでに多くのファンが選手たちを後押しして、大会を盛り上げている。スポーツイベントに欠かせない、最も大切な要素だ。

「ギャラリーがコースに来てくれることは、非常に重要なことだと思います。全英オープンをワールドクラスのイベントにしたいと常々話してきましたが、そのためには多くの観客が絶対に欠かせません」

「もちろん、今大会は特別な“環境”の中で行われますから細心の注意が必要で、ギャラリーの入場においての条件制限も厳しくしています」

「最終日の午後。最終18番ホールのグランドスタンドから多くのファンが、花道を歩いてくる新しいチャンピオン・ゴルファー・オブ・ザ・イヤーを迎え入れるあの瞬間。あれこそが全英オープンの醍醐味です」

世界中のゴルフファンが待ちわびていた時がついに訪れた。1年遅れとなったが、眩いほどの青空と青々としたコース。最高のコンディションのもと、第149回全英オープンゴルフ選手権が開幕した。