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ローリー・マキロイは「日曜日に何かをつかめた」 準備万端の14年覇者が全英V2へ
ローリー・マキロイは7年ぶりの大会Vへ視界良好|(撮影:GettyImages)
<全英オープン 事前情報◇14日◇ロイヤル・セントジョージズGC(イングランド)◇7211ヤード・パー70>

前週の「アバディーン・スコットランド・オープン」では初日「70」、2日目「71」。カットラインにわずかに届かず予選落ちしたローリー・マキロイ(北アイルランド)だが、149回目を迎えた「全英オープン」に臨む2014年王者の表情は明るくすがすがしい。


“Blessing in disguise”。英国では悪いことがあったときによく耳にする一言だが、日本語に訳すと「災い転じて福となす」といったところか。

予選落ちの決まった翌日の土曜日に、スコットランドのルネッサンスゴルフクラブから素早く撤退したマキロイは、グレートブリテン島を南下して予定よりも早く、イングランド南部にのロイヤル・セントジョージズに入ることができた。

練習に充てる時間が増えたことでパフォーマンスレベルが上昇し、マキロイは「ここ数日の練習ラウンドでは、いい感じで打てている」とあすの開幕に向けて自信をのぞかせた。

「日曜日にプレーして、何かつかめた気がした。だからすこぶる調子がいい。月曜日のレンジでもショットがよくて、火曜日はコースでしっかりとボールを打てた。今週の状態は正しいほうに向いていて、とても気分がいい」

前週の不振から脱却し、充実感をにじませる。

「もちろん予選落ちをしたいと思うことなど絶対にない。だけど、先週のは“悪い”予選落ちではなかった。その後、土曜日にここの会場入り、数ホール回ることができた。日曜日に18ホール回れたし、フィールド内のほかの選手よりも少し早く準備に取りかかれて、得した気分だ」

その言葉どおり、1日多く時間がとれたマキロイは、月曜日にラウンドを回避してショットとパットの練習に充てることができた。

「早めに来たから月曜日はコースを回らず、火曜日は11ホールのみ回った。水曜日は早めにスタートして全ホール回るけど、普段より余裕をもって時間を過ごすことができるから、すべてを時間に追われて“カツカツ”でこなす必要がないのがいいよね!」

14年にロイヤル・リバプールでクラレットジャグを掲げて以来、マキロイは16〜18年大会(15年大会はケガにより辞退)を5位タイ、4位タイ、2位タイでフィニッシュ。地元開催となった前回のロイヤル・ポートラッシュで予選通過はならなかったものの、近年の全英オープンでの成績は悪くはない。それはマキロイ本人も「ここ数年のメジャーで、最もいいパフォーマンスができているのがこのイベントだ」と自負している。

「子どもの頃からリンクスでプレーしてきて、リンクスゴルフで育ったのは確か。だけどプロになって以来、試合の9割以上をリンクスコース以外でプレーしているから、このスタイルにアジャストしなくてはならない」

ゴルフの起源とも言われるリンクスゴルフへの対応が必要と感じるのも事実だ。

「リンクスコースには慣れることは可能だけど、このスタイルのゴルフ、さらに全英オープンでは異なった様々な“条件”が発生する。これらの突発的な条件は自分ではどうすることもできないから、それを理解して受け入れなくてはならない」

17歳のプロデビュー以来、天才と騒がれて久しかったこの北アイルランド出身の“元神童”も、もう32歳になった。

「僕も年齢と経験を重ねて成熟したから、この大会でもいいプレーができるようになったのではないかな。今週はそれを見せることができればいいね」

今週のロイヤル・セントジョージズの天気予報は軒並み快晴。だが、月曜日の大量の降雨により、コース上のブッシュは生い茂って、フェアウェーやグリーンのコンディションも直近の03年と11年の2大会とは大きく異なる。

それだけにティショットには確度の高さが要求されるが、マキロイは逆にこのタスクを楽しむつもりだ。

「ラインから外れるとフェアウェイの両サイドにはものすごいラフが待ち受けている。これを避けなければいけないけど、それこそ今週最大のチャレンジになるだろう。月曜日の雨の前からラフは生い茂っていて、セントジョージズ特有のフェアウェイのコブがあまり見られなかった」

コースの変化に応じて、戦い方も考え直す必要が出てきた。

「個人的には、そのほうがこのコースはベターだと思う。今の状態はほぼ完ぺき。好天が続き、そして強風もあるから、決勝ラウンドになるとパーフェクトなコンディションになっているはずだ」

大きな目を輝かせて語るその表情は、幼いころにリンクスコースを楽しんでいた“ローリー少年”に変わっていた。リンクスコースを知り尽くして、経験も豊富。そこに万全の準備期間も加えたこの男には、2年ぶりの大会に向けて死角はない。