Skip to main content
ニュース
「風に任せて戦法」不発… 次は風を生かす男になる! 浅地洋佑が気づいたリンクスでの“処世術 ”
また来たいと誓った浅地洋佑

<全英オープン 最終日◇21日◇ロイヤルポートラッシュGC(北アイルランド)◇7344ヤード・パー71>

「自信がついたかといわれると、それはない。どちらかというと課題が浮き彫りになりました」

初の「全英オープン」で4日間の戦いを終えた浅地洋佑は、今回の感想を聞かれ、少し悔し気にそう答えた。前日までトータル1オーバーと粘っていたが、リンクスらしい不規則な強い風が吹いた最終日は「76」と崩れる結果に。トータル6オーバー・67位タイで、ロイヤルポートラッシュGCを後にした。

1つ伸ばして迎えた7番パー5。ここでのティショットが右のバンカーに入り、これが目玉となった。「あそこに打った自分が悪い」と、このホールでダブルボギーを喫した。9番ではバーディを奪ったが、直後の10番でボギー、さらに11番のトリプルボギーが、後退のペースを加速させてしまった。「ティショットがよくなかった。トリも右に打って、ロスト。ちょうど僕が打つときにボランティアさんも含めて、誰も見ていなくて。でもこれも運ですね」。サバサバとした口調で振り返った。

ここまでも悪天候のなかでのラウンドはこなしてきたが、ラスト18ホールとなったこの日、それまで以上の強風が猛威をふるった。「“風に任せて戦法”で行ったら、どこまでも曲がりました(笑)」。ショットをチャンスにつなげることができず、スコアを落としていった。

だが、ここにきて“リンクスらしさ”を味わったことで、「全英で上に行くために足りないものが、ようやくわかりました」と、はっきりと目が開いた様子。「ティショットでの球筋の種類が必要。風にぶつけたり、乗せたり、下を通したり、全部できないと難しいと思う。風に乗せたらどこまでも曲がるので、風向きと逆の球を打つなどしないと戦えない」。

それに気づいて、最後の2ホールでは、これまで使わなかった球筋も試してみた。「さすがにそんなに簡単ではなかったですね」というが、身をもって体験したことは、なかなか忘れないもの。「課題が増えたことで、さらに向上心が芽生えました」。今後は“風任せ”以外の戦法を手にするため、練習のバリエーションも増えていきそうだ。

マンデートーナメントを勝ち抜き、「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」でツアー初優勝を挙げたのが5月中旬。そこから約2カ月の間に、さまざまな状況が目まぐるしく変わり、ついには世界最高峰の舞台で4日間を戦い抜いた。「ここでプレーすると、また来たいと思いますね」。課題意識を自信に変え、再びリンクスで戦う姿をイメージする。