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ツアー初の8000ヤードに700ヤードパー5に尾根ありグリーン… 選手たちはどう見る?
16番パー5はなんと705ヤード これには選手達も苦笑いだ|(撮影:ALBA)

<ミズノオープン 事前情報◇23日◇ザ・ロイヤルゴルフクラブ(8007ヤード・パー72)>

国内男子ツアー「ミズノオープン」の開催コースが注目を浴びている。会場は昨年3月にグランドオープンしたザ・ロイヤルゴルフクラブ(茨城県)。総ヤーデージの8007ヤード(パー72)はもちろん、1973年のツアー制度施行後最長。これまでが73年の「日本プロ東西対抗」の7777ヤードだから、どれだけ今回の距離が異例か分かる。今世紀に入ってからで見ると、最長は2017年の「フジサンケイクラシック」で歴代3位の7566ヤード。今回のセッティングはまさにモンスター級といえそうだ。


とはいっても、大会4日間の全日、この距離に設定されるわけではない。コースセッティングアドバイザーの細川和彦によると、3日目はこのフルヤーデージ、8000ヤード越えを予定しているというが、その他の日は「7700前後の予定」。とはいえ、長いことには変わりない。ちなみに先週の関西オープンまでの国内5戦のヤーデージとパー数は以下の通りだ。

・東建ホームメイトカップ 7081ヤード(パー72)
・パナソニックオープン 7343ヤード(パー71)
・中日クラウンズ 6557ヤード(パー70)
・日本プロゴルフ選手権 7324ヤード(パー72)
・関西オープン 7124ヤード(パー72)

こうして見ると、7700ヤードでも相当タフになるのは明らかだ。今回のコース自体は比較的フラットで、一見広々としている。ところが、ひとたびラフにつかまると、グリーンを狙うショットはおろか、出すだけの状況も大いにあり得るという。「フェアウェイ幅が狭いわけではありませんが、ラフに入れてはいけないというプレッシャーで、実際よりも狭く見える」と小鯛竜也。この意見には他の選手もおおむね同意見だ。

「距離があるからロングヒッター有利と思いがちですが、実際は地面も硬いですし、ランも出ます。みんなが300ヤードヒッターになれるコース。飛ばしてもラフに行っては意味がない。ということは、ショットメーカー、小技がうまい選手が上位に来るのでは」と宮本勝昌はいう。「フェアウェイにさえ行けば、そこまで距離が問題になることはないのですが」というものの、その曲げないドライバーが打てるかどうか…。

加えて選手を苦しめるのは、来日しているゴルフの総本山「R&A」のオフィシャルをうならせたグリーン。「ここまで素晴らしいグリーンは世界でもほとんどない」という“キレイ”な仕上がり。「転がりが素晴らしい」と選手が声をそろえるグリーンは、裏を返せば、それだけスピードが速いということ。「特に手前から奥にかけて速いグリーンが多い」と石川遼。象徴的なグリーンが14番パー4。グリーン面は大きく奥に下っており、「こんなのあまり見たことがない」と選手も驚きの声を上げる。

長い距離が残るセカンドショットの場合、大きい番手でグリーンを狙うことになるが、この難グリーンに寄せるのは当然「難しい」と谷口徹は語る。「狙っていけない」というその言葉を裏付けるのは、先週の勝者・時松隆光。「グリーン周りのラフは徐々に深くなっていくので、外す場所も重要だし、そこからどう寄せて、どうこらえるかかが大事ですね」と、ショットでグリーンを外しても耐える心が大事になる。

コースの象徴でもある16番は705ヤードのパー5。ただでさえ長いのに、グリーンは真ん中に尾根があり、手前と奥が山の裾野のような形状。「3日目には尾根の上にピンを切る予定」という細川も、どれだけバーディが出るか楽しみだという。また、パー3もすべて230ヤード越え。風向きによってはドライバーを握ることもありそうだ。

「5番ウッドとか3番アイアンとか、長いクラブで操作していかないといけないからパー3が難しい」と話す高山忠洋。「セカンドショットも今までとまったく違う番手が多い」と、これまでの攻めを変えなければ攻略は難しそうだ。とにかく、そんなサディスティックさが満載のコースで奮闘した上位4人には「全英オープン」の出場権が与えられる。このコースで活躍すれば、確かに海外メジャーでも通用しそうだが、果たして結末は?