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旅人ゴルファー川村昌弘が記念すべき大会出場へ「全英出場はスタート地点」
スタート地点に立った川村昌弘|(撮影:村上航)

<全英オープン 事前情報◇17日◇カーヌスティGL(7402ヤード・パー71)>

念願の「全英オープン」出場に、川村昌弘は目を輝かせている。「全英は最初の目標で、今もそれは変わらず、マスターズでも全米オープンでもなく全英オープンが一番。そこに来られたのはうれしい」。17日、2日連続で回った練習ラウンドを終えた川村は、子どものように無邪気に語った。


5月の「〜全英への道〜ミズノオープン」で2位タイに食い込み、夢にまで見た全英への出場権を勝ち取った。川村本人はもちろん、周囲の人間も夢の実現を喜んでくれた。「僕と親しい人はみんな知っている。小平(智)さんや両親とか、親しい人はみんな僕が全英を目指してゴルフをしてきたのを知っている。そういうことを考えると両親とか、自分でも記念すべき初出場になる」。挑戦するのは、全英オープン開催コースでもトップクラスの難関コース、カーヌスティだ。フェアウェイが狭く、非常に硬く、練習日に調整を続ける選手たちの多くが苦しんでいる。川村も「コースは、下が硬いので難しい」と話す1人だが、一方でその内容は多少異なっている。

「でもグリーンはきれいで、フェアウェイほどカチカチではない。いいスコアが出ることもあり得ると思う」。難コースにも臆する様子はなく、逆に自信をのぞかせているのである。理由は、海外ゴルフに対する経験値の高さ。“旅人ゴルファー”を自負する24歳には訪問してきた国々でゴルフをしてきた強みがあるからだ。

「僕は下が硬いのは大丈夫。色々なところで、もっとカンカン(照り)のところでプレーしているので。自分の場合は軟らかいほうが嫌。硬いほうが打ちやすい」

今回のスコットランドで、訪れた国は38カ国目を数える(注:英国を4つの国と分けて考えた場合)。現地の文化を取り込み、自身への成長を促してきたわけだが、そのスタンスは初挑戦となったスコットランド遠征でも不変だ。

「ここ来る前にプレーしたプレストウィックとかセント・アンドリュースのほうが、めちゃくちゃだった。ここのほうが整っている。もっと整っていないところをプライベートで回ってみたが、行っておいてよかった。スコットランドに来て、練習ラウンドして試合に出るだけではつまらないなと思っていたので。いつものスタイルです」

明るくポジティブで物おじしない。それこそが川村昌弘流。今回の目標も「コースに負けないように自分のゴルフができればいい。結果は、運と不運に左右されるので、そこばかり気にして小さくなってしまうほうがよくない」と、あくまで内容重視となる。なぜなら、川村にとって全英オープン初出場は終着点ではないからだ。

「まだスタート地点。これからも全英には何度も出場したい。時間はかかったが、一回りしてゴルフもようやく良くなってきた」。決して大柄な体ではないが、大きなハートを持つ男。初出場ながら、上位に食い込んでもなんら驚くことはないだろう。