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V・ホブランはパッティング好調 ノルウェー勢初の快挙なるか
24歳のビクトル・ホブラン 母国の期待を背に最終ラウンドを戦う|(撮影:福田文平)

<全英オープン 3日目◇16日◇セント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7313ヤード・パー72>

2021年大会覇者のコリン・モリカワ(米国)と、3日目を終えてトータル16アンダー・首位タイに立つビクトル・ホブラン(ノルウェー)。両者は2019年6月の同じ日にプロ転向している。どちらも優秀なゴルファーであるのは間違いないが、モリカワが昨年の「全英オープン」と2020年の「全米プロ」、すでにメジャー2冠を達成しているのに対して、ホブランはここまでメジャー大会でトップ10入りを果たし事は、一度もない。

ホブランは今大会で初のトップ10入りを果たす可能性は非常に高いが、現状を見る限り、24歳はそれだけでは満足しないはずだ。目指すのは頂点のみ。3日間を終えたホブランのここまでのプレーを見る限りは、世界最古のメジャーを制することのできる実力の持ち主であり、今大会でそれをやりのけたとしてもなんら不思議はないだろう。

そのためにホブランは、3日目に現地を訪れたギャラリーや、中継を観る世界中のゴルフファンをくぎ付けにした興奮のバトルを演じた、ローリー・マキロイ(北アイルランド)と再びペアとなって、最終日に挑む。

これまでは、ホブランの弱点はパッティングにあった。しかしながら、3番から圧巻の4連続バーディで一気に首位に躍り出たノルウェー人のこの日のプレーからは、そのような印象は皆無だった。中でも3番、4番のパットはともに10メートル以上のロングパットで、これらを見たギャラリーからは感嘆の声が漏れた。

一方で、ドライバーはホブランの最高の強みである。そしてバックナインでは得意のロングドライブを生かして、10番と18番で2つのバーディを奪い、ボギーなしの6バーディ「66」の好スコアでまとめることに成功した。

スコットランドからアイリッシュ海をまたいだ北アイルランド出身のマキロイは“準地元”選手なだけに、常に数千人というギャラリーが二人の後についた。それだけに、プレー中は英国人のプレーイングパートナーに特大な歓声が寄せられ続けたが、ホブランは「全然気にならない」と平然と語った。

「僕への声援も聞こえてくるし、自分のゴルフに集中するだけだからね」

彼が目指すのは、ノルウェー勢として初の戴冠だ。全英オープンのみならず、同国からはいまだメジャー王者は輩出されていない。ゴルフの聖地セント・アンドリュースでそれが叶えば、「これ以上の場所で勝つメジャーはないよ!」と興奮気味に話す。

「ノルウェーではマスターズも含めたほかのメジャーよりも、(地理的により近い)全英オープンを幼いころからずっと見ていた。そんな場所で優勝できたなら、本当に最高なことだ。(スウェーデン出身の)ヘンリック(ステンソン)が数年前にやったように、僕も優勝して、ノルウェーでもゴルフ人気につなげられるようにしたい」

そして迎える最終日。

「まだ何が起こってもおかしくない。リンクスコース特有のコンディションで、ピンも非常に難しいポジションに切られてくる。最終日にイーブンで終わる可能性もあるし、となればほかの選手も優勝争いに加わることになる。あとは自分次第だ」

悲願のクラレット・ジャグまで残されたのは1ラウンドのみ。あとは自分のため、そして故郷へ錦を飾るためにも、必死にプレーするだけだ。

<ゴルフ情報ALBA.Net>