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ローリー・マキロイが8年ぶり戴冠に王手 Vへのキーワードは“忍耐”と“規律”
ローリー・マキロイ、聖地での栄冠へ いよいよ運命の最終日を迎える|(撮影:福田文平)

<全英オープン 3日目◇16日◇セント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7313ヤード・パー72>

3日目のローリー・マキロイ(北アイルランド)は、初日に次いで今大会2度目となる「66」の好スコアを叩き出し、8年ぶり2度目の「チャンピオン・ゴルファー・オブ・ザ・イヤー」の称号に一歩前進した。

トータル16アンダーまで伸ばし、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)とトップに並んだ。同スコアで終ったものの、“自信”を身にまとってコースを回ったマキロイからは終始落ち着きが見られ、最終日のフィナーレに向けての優勢を印象付ける力強いラウンドだった。本人も「とてもいいラウンドだったと思う」と満足げに振り返った。

序盤は4ホール目までパーが続いた。その一方で、真横でプレーする同組のホブランが3番から4連続バーディで一気にスコアを伸ばした。だが2014年大会王者は焦ることなく、「ビクトルが長めのパットを沈めたのを見ていたが、僕は辛抱強く待っていた」。淡々と自分のゴルフに徹した。

決勝ラウンド初バーディは5ホール目で訪れた。「待っていた結果、バーディが与えられたように感じた」。さらに翌6番でも連続バーディを奪ったものの、その後は再びガマンのゴルフを強いられた。

9番でもバーディを獲り、前半を3アンダーで折り返した。そして10番では、今大会を通じて1、2を争うほどのスーパーショットを繰り出した。386ヤードのパー4。マキロイのティショットはグリーン手前のポットバンカーに入る。砂の中で足場を作りスタンスに入るが、隣のホールからの雑音が気になり、2度の仕切り直しを強いられた。

そして、3度目の正直で放った打球。マキロイは「近づけることだけを考えていた」というが、サンドウェッジでふわりと上げたボールは吸い込まれるようにカップに滑り込む。

チップインイーグル完了の瞬間はギャラリーから特大な歓声が上がり、ボルテージは一気に高まった。

左手を挙げてその歓声に応えた33歳は、「今週の声援は信じられないほど素晴らしい。本当に感謝しているし、コース上では常にそう感じている」と話す一方、本人が課題としている「平静」を保ち続けていた。

「ベストなゴルフを引き出せるように、自分の世界に集中している。声援に応えようとはするけど、自分のプロセス、自分の中の小さなバブルにいられるよう心掛けている」

14番でもバーディを獲り、16番でスコアを1つ落としたものの、最終ホールでも再びバーディを奪ってフィニッシュした。2014年以来となる大会制覇に向けて、この日もマキロイが繰り返したのは、今大会中に常に出て続けている「忍耐」と「規律」という2つのキーワードだった。

その結果が16アンダーであり、トップタイで迎える最終日である。

「あとは自分のゲームプランに沿って、プロセスを進めるのみだ。自分ではそれだけしかできないし、そのおかげで今このポジションにいる。もう一日やるだけさ」

「(ゴルフの聖地)セント・アンドリュースでの全英オープンで勝てたら、信じられないほどクールなこと。夢のような話だ」と目を輝かせたマキロイ。「最終日は、その夢を実現できるように最善を尽くすのみだ」。

果たしてマキロイは夢を叶えられるのか。それとも夢のままで終ってしまうのだろうか。

<ゴルフ情報ALBA.Net>