<全英オープン 2日日◇15日◇セント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7313ヤード・パー72>
「すごい悔しいです」。“有言実行”とはならなかった。アマチュアの中島啓太(日体大4年)は「アンダーパーを目指して戦いたい」とイーブンパーのスコアから臨んだ2日目、2バーディ・3ボギー・1ダブルボギーの「75」とスコアを落としてトータル3オーバー。「マスターズ」、「全米オープン」に続き今季3度目のメジャー参戦だったが、結局いずれも予選通過は叶わなかった。
4番でボギーが先行したが、「チャンスホール」の5番パー5ですぐさまバウンスバック。9番パー4ではワンオンに成功し、2パットのバーディを奪ってトータル1アンダーで折り返し。10番、11番とパーを並べて、再びワンオンが狙える12番パー4。ここで悪夢が起きた。
「毎日ドライバーで打っていました。きょうもワンオンチャレンジでドライバーを持ちましたが、ちょっと左に行ってしまった」。アグレッシブに攻めた1打が、痛恨のミスショット。不運のキックも重なり、ブッシュに入った打球はロストボールに。3打目として打ち直した打球はワンオンに成功したが、40メートル以上の距離が残り、そこから3打。ダブルボギーとしてしまう。
悪い流れはさらに続く。13番ではティショットが「少しターゲットがズレて」入ってはいけない左サイドのバンカーへ。後方にレイアップして、193ヤードから12メートルにオン。パーセーブとはならなかった。15番でもティショットをブッシュに入れてボギーとスコアを落とし、巻き返すことができないまま18ホールが終わってしまった。
2、3回のミス。だが、「ひとつのミスショットがダブルボギーになってしまうのがメジャー」と、1打で流れが変わり、スコアに大きく響くことを改めて思い知らされた。
昨年、国内男子ツアー「パナソニックオープン」で史上5人目のアマチュア優勝。そして「アジアパシフィックアマチュア選手権」を制し、現在の世界アマチュアランキングは1位。JGAナショナル・チームの一員としても活躍する中島に対する期待は大きい。8月には「ナショナル・チームの一番のイベント。日本代表としてしっかり戦いたい」と話す「世界アマ」も控えている。
今秋にはプロ転向も予定しており、アマチュアとしての期間も残りわずか。「必ず戻ってきたい。もっと自分と向き合って、“大会と戦う”という意識を持っていきます」。マスターズ、全米オープンでは予選落ちを喫して涙を流した中島。このセント・アンドリュースで見せたのは、力強いまなざしだった。(文・笠井あかり)
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