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「64」で単独首位浮上のC・スミス 抜群の相性のリンクスコースで漂う、メジャー初制覇の予感
メジャー初制覇へ確実に歩みを進めているキャメロン・スミス|(撮影:GettyImages)

<全英オープン 2日目◇15日◇セント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7313ヤード・パー72>

第150回全英オープンゴルフ選手権は、2日目を終えてメジャー初制覇を狙うキャメロン・スミス(オーストラリア)が、8つスコアを伸ばしてトータル13アンダーで単独首位に立った。

初日に「67」の好スコアを出して5アンダーでスタートした28歳は、1番から3ホール連続バーディを記録。スミスは「ホットなスタートができたから、調子に乗れた」と振り返った。

さらに7番、8番で再び連続バーディ。前半だけでスコアを5つ伸ばして折り返した。後半も10番でいきなりバーディを奪取し、その勢いが止まらない。しかし本人は、「バックナインはタフになるとわかっていた。右利きのゴルファーにとって、左からずっと吹いてくるあの風はつらい。だから我慢しなくてはらない」と得意とするリンクスコースの攻略法を明かした。

そして迎えた14番。我慢のゴルフから一転、しっかりと攻めてイーグルを呼び込む。「良いティショットとセカンドが打てて、3打で上がれた。嬉しかったね」というこの場面、実際にはイーグルパットは20メートル残されていた。

このモンスターパットをねじ込むと、同伴者は驚きの顔を見せ、ギャラリーは大きく盛り上がったが、スミス自身は涼しい顔で右手を挙げるのみ。「あんまり喜んだり、怒ったりを見せるタイプじゃないからね」とサラリ言ってのけた。

36ホール終了した現時点でのスコアは「131」。これはセント・アンドリュースで行われた全英オープンとしては、最小ストローク記録だ。好プレーの理由を聞かれ、「ただ忍耐強くプレーすることだと思う」と即答。「あとはスマートなゴルフをするだけ。上位に残るには絶対にスマートなプレーを心がけなければいけない」と続けた。

スミスの話す「スマート」とはカタカナ英語の「スマート」ではなく、頭を使ったクレバーなゴルフの意味。どこで攻めて、どこで引くか。大会前には母国のリンクスコースを引き合いに出し、セント・アンドリュースは「オーストラリアのゴルフコースを彷彿させる」と感想を述べて、得意なタイプのコースであると明かしていた。

「硬くて速いゴルフは、オーストラリア人だったら楽しめると思う」

そして、午後の遅い時間帯の最終組でのプレーとなるムービングサタデーでは、「おそらく硬くて速くなるはず。超難しくなると思うよ」と予想。無論、その表情からは余裕が見られた。

今季は3月に「ザ・プレーヤーズ選手権」を制して、マスターズでも上位争いに加わり3位タイでフィニッシュ。プレッシャーのかかる場面でもポーカーフェイスを貫いた。

最後にオーストラリア出身の選手が全英オープンを制したのは、スミスが生まれる1カ月前。1993年にグレッグ・ノーマンがクラレットジャグを掲げたときのこと。29年ぶりの快挙達成までスマートなゴルフで2日間首位を守り続けるつもりだ。

<ゴルフ情報ALBA.Net>