<全英オープン 初日◇14日◇セント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7313ヤード・パー72>
朝イチのティショットがディボット跡に入り、2打目がグリーン手前の小川に吸い込まれる。後方に下がってドロップし、4打目を1メートルに寄せるもこれを外してダブルボギー発進。タイガー・ウッズ(米国)の挑戦はいきなり苦しい船出となった。
4月の「マスターズ」、5月の「全米プロゴルフ選手権」に続き今年3戦目。右脚のケガもあって危ぶまれた出場も、「ここに間に合わせたかった」と熱望した聖地でのプレーは、3バーディ・5ボギー・2ダブルボギーの「78」。6オーバー・146位タイと苦笑いがこぼれる1日だ。
前日の水曜日は練習のみに終わったが、火曜日までに精力的に練習ラウンドを重ねて準備万端だったはず。「勝つ自信がなければ試合には出ない」と言い続け臨んでいる今季。蓋を開けてみれば、首位と14打差、現時点でイーブンパーの予選カットラインにも遠くおよばない状況でも、諦めることは決してしない。
ホールアウト後、大勢の報道陣に囲まれたウッズ。「66を出さないとチャンスはないかな。でも、これまでも出しているし、今日はそのスコアを出した選手もいる。それを明日出すのがボクの責任だし、やるしかない」。硬い決意を示し、表情もグッと引き締まった。
これまで聖地でのプレーは1995年、2000年、05年、10年、15年と5大会を経験。合計18ラウンドをプレーし、初出場の95年大会最終日に「78」を叩いて以降のワースト記録タイとなってしまったが、優勝した00年、05年には「66」をマークしている。このまま終わるウッズではないことは明らかだ。
「反応がすばらしかった」とファンからの感謝の気持ちは伝わった。ウッズ自身が言葉にした“責任”を果たすことはすなわち、まずは予選突破を果たすこと。スーパースターなき週末は聖地には似合わない。ウッズの逆襲が、スコットランドのボルテージを上げていく。そんな2日目をファンは待ち望んでいる。(文・高桑均)
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