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金谷拓実はトリ・ボギー・ボギーからカムバック 最難関の名物17番では84年以来の「いいバーディ」奪取
序盤はドタバタした展開も金谷拓実が2日目につながるカムバックを見せた|(撮影:福田文平)

<全英オープン 初日◇14日◇セント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7313ヤード・パー72>

金谷拓実のスタートは苦しい展開だった。1番ホールこそパーで滑り出したものの、2番パー4で左ラフ、左バンカーを渡り歩くと、グリーン手前からのアプローチのパッティングはこぶに戻され5オン・2パットの「7」。トリプルボギーが先行すると、続く3番、4番は連続ボギーを喫した。「苦しい場面が続いた」と、いきなり5オーバーのビハインドを負った。

「アウトコースのアゲンストが続くホールは、僕にとっては少し難しいホールになる」。スコアを落とし、耐える状況が続いていたが、金谷には心に決めていることがある。それは「必死に最後まで、諦めずにプレーする」こと。7番で長いパットを決めてこの日初めてのバーディを獲ると、その言葉通り、ここから巻き返しが始まった。

後半の12番でもスコアを戻すと、14番パー5では2オン狙いでこぼれたグリーン奥からのアプローチを寄せてバーディ。15番で3パットのボギーを挟んだが、セント・アンドリュースの名物ホールともいえる17番パー4で真価を発揮した。

ここは右サイドに広がるホテルを越えていくようにティショットを打ち、グリーン手前にはトミーズ・バンカーと呼ばれる“絶対に入れたくない”バンカーが待ち構える。さらにグリーン奥には救済が受けられない砂利道も広がっている。金谷のティショットは左に曲がってブッシュへ。だが2打目をピン手前6メートルに乗せると、これを決めた。

金谷の言葉を借りて言えば「パーでもいいというホール」。現に、前回セント・アンドリュースで行われた2015年大会では、4日間の平均ストロークは「4.66」で最難関だった。この日も、ひとつ前の組を回っていた松山は、2打目を奥の砂利道にこぼして惜しくもボギーに。星野もダブルボギーを叩くなど、軒並み苦しんでいた。

さらに実は、このバーディは、日本勢としては1984年の尾崎直道以来というなんとも歴史的な快挙。これには金谷も「知らなかった」と驚いた様子を見せ、「難しいんですね。左のラフに入って難しい状況だったけど、いい位置に置くことができていいバーディだったと思います」と笑顔がこぼれた。

2オーバー・101位タイ発進にはまだまだという表情もみせたが、この力強いカムバックはあすにつながる。「きょう悪かったところを修正して、あしたいいプレーができるように頑張ります」。17番の勢いに乗って、あすこそはロケットスタートといきたい。(文・笠井あかり)

<ゴルフ情報ALBA.Net>