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円熟味増したR・マキロイが好スタート「獲るべきホールでバーディが獲れた」
あれから8年 円熟味をましたマキロイが2度目の全英王者を目指す|(撮影:福田文平)

<全英オープン 初日◇14日◇セント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7313ヤード・パー72>

2014年大会王者のローリー・マキロイ(北アイルランド)が好スタートを切った。

今季好調の33歳はマスターズ、全米プロ、そして全米オープンと、全メジャーでトップ10入りを果たしていた。迎えたセント・アンドリュースでの全英オープン。150回記念大会の初日も7バーディ・1ボギーの「66」にまとめて、首位のキャメロン・ヤング(米国)に2打差の2位の出だしに、「最高のスタートを切れた」と頬を緩めた。

マキロイとゴルフの聖地の相性は良い。10年大会では、同じく初日に1イーグル・7バーディと当時のメジャー最少スコアタイ記録となる「63」を叩き出している。その時は、結果的に3位タイで大会を終えたが、北アイルランド出身の男は幼いころからリンクスコースとともに育ってきただけに、セント・アンドリュースの戦い方も十分に理解している。

「今日は、セント・アンドリュースでプレーする上でやらなくてはいけないことを、すべてできた。バーディを獲るべきホールで獲り、パーを獲らなくてはいけないホールではパーを獲った。アウト・オブ・ポジションになることがほぼなかった」

昨年覇者のコリン・モリカワ(米国)と東京五輪金メダリストのザンダー・シャウフェレ(米国)とともに、序盤の目玉グループの一人としてティグラウンドに登場した。ギャラリーからは「カモン、ローリー!」と特大の歓声が飛び、ひとたびティオフしても、コース上ではひと際大きな声援を受けた。

ファンの後押しを受けたマキロイは、356ヤードの1番ホールのティショットをグリーン真横まで飛ばした。そしてセカンドをベタピンにつけて、あっさりとバーディ奪取に成功する。

2番からパーが続いたが、これもすべて計算通り。翻って「バーディを獲るべきホール」とされる、ロングホールの5番からギアを一段上げてくる。2オンはならなかったものの、グリーン手前のラフからのアプローチは鮮やかだった。1メートル弱に寄せて、この日2つ目のバーディをもぎ獲った。さらに6番、7番でも連続バーディを奪って、ハーフを「32」で終えた。

「忍耐」と「規律」。リンクスコースに欠かせないこの2点をしっかりと心得え、後半も12番で再びバーディ。13番で初ボギーを叩いたが、残りの5ホールでスコアを2つ伸ばしてホールアウトした。

記者会見でマキロイは、「いまはすべてが落ち着いている。自分のゴルフに大きな問題はないし、調子が良い。全部が静かに落ちついている感じなんだ。だからしっかりと考えられる」と穏やかな表情で語った。

だからこそ、オールドコースのシグネチャーホールで、鬼門とされる17番でも冷静にプレーができた。

「ティショットはフェアウェイだったが、ロブウェッジのリーディングエッジを使ってボールをしっかり捉えられるライではなかった。だからギャップウェッジでチッピングという選択肢を選び、失敗しても痛みが少ない状況を作り出せた」

「自分の置かれた状況を受け入れて、ボールがナイスポジションに置けたときでもアグレッシブに行き過ぎない。それが大切なんだと思う」

ロイヤル・リバプールで戴冠を果たした翌年、15年のセント・アンドリュース大会はディフェンディングチャンピオンとしての出場が叶わなかった。理由は、大会前にサッカーをして脚にケガを負ったからである。若気の至りとでもいうべきか。

しかしあれから7年が経過。コースの内外でベストチョイスできるようになり、現在のマキロイには天性の才能に円熟味が加わった。8年ぶりのメジャー5勝目は、限りなく近い場所にある。

<ゴルフ情報ALBA.Net>