<全英オープン 事前情報◇11日◇セント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7313ヤード・パー72>
全英オープン開催ウィークの月曜日。昨年大会覇者のコリン・モリカワ(米国)は、R&A最高責任者を務めるマーティン・スランバース氏にクラレットジャグを返還した。
直後の記者会見では、モリカワは「本当にきつかった」と漏らした。この日の朝には、目を覚ましてすぐにクラレットジャグを眺めていたことを明かし、「レプリカも美しいが、本物とはまるで違う」と名残惜しそうな表情で遠くを見つめた。
だからこそ、25歳の全英オープン連覇にかける思いはひとしおだ。
「当然、目標は優勝。クラレットジャグを1年間保有して、それが何事にも代えがたいことであるとわかった。もうすでに1年経つけど、歴史に名前を残せたし、それは今後の僕のゴルフ人生でも不変。第150回という記念大会で防衛に挑むことができる今週は、スペシャルな1週間になるだろう」
世界最古のメジャーで連覇達成となれば、07〜08年のパドレイグ・ハリントン(アイルランド)以来となる。モリカワは「それはすごいことだし、特大の意味を持つ」とやる気は十分。しかし、シーズンも終盤に迫ってきているが、今季ここまで優勝はなく、先週の「ジェネシス・スコットランド・オープン」でも予選落ち。好調とは言い難い。
この点については自身も理解しており、「素晴らしい選手が多く、好調な選手も多い。だから僕もギアを上げていかなければならない」と分析し、「シーズンにメジャーは4試合のみしかなく、これがその4戦目。最大限の準備をして最高の4ラウンドをお見せしたい」と力を込めた。
モリカワにとって、“ゴルフの聖地”セント・アンドリュースは初体験。だが、先週末の予選落ちが奏功し!?、9日の土曜日の時点ですでに現地入り。以来、この小さな町の観光も済ませ、練習ラウンドも数回こなすことができた。
「セント・アンドリュースは大好きな場所。なぜみんなが好きだというかが分かった」と笑顔を見せたモリカワ。「今週はとてもスペシャルなウィークになりそうだ」と連覇に向けて、自信をのぞかせた。