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「いままで何度か断ってきた」ジャック・ニクラスが引退後初めて“聖地”に戻ってきたワケは?
ジャック・ニクラスが17年ぶりに聖地へ その思いもひとしおだ|(撮影:福田文平)

<全英オープン 事前情報◇11日◇セント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7313ヤード・パー72>

ジャック・二クラス(米国)が“聖地”に戻ってきた。2005年、当時65歳だった帝王二クラスは「一番好きなコース」というセント・アンドリュースで行われた「全英オープン」で現役を引退。そしてそれから17年後、同コースで第150回目という節目を迎える全英オープンの地に姿を見せた。

1962年の「全米オープン」でプロ初優勝をメジャーで飾り、66年にミュアフィールドが舞台の全英オープンでキャリア・グランドスラムを達成。そしてセント・アンドリュースでの全英オープンは70年、78年と2度制し、“クラレット・ジャグ”を手にしている。

開幕3日前となる11日(月)に、世界各地で行われた大会の王者たちが集まるイベント「セレブレーション・オブ・チャンピオンシップ」が行われた。1番、2番、17番、18番の4ホールをプレーするチーム戦。過去3度全英を制したタイガー・ウッズ(米国)や、ローリー・マキロイ(北アイルランド)、そして日本勢からは昨年の「アジアパシフィックアマチュア選手権」勝者として中島啓太も参戦した。ニクラスはこの様子を“見守る”ために戻ってきた。

「2005年のときの感動を薄めたくないという想いがあって、いままで、セント・アンドリュースに戻ってくることを何度か断っていたんだ」とニクラス。この地で全英オープンが行われた10年、15年にも訪れなかった。このコース、そして周辺の町はニクラスにとって最高の思い出にあふれている。その思い出を色褪せないようにさせるためにも、あえて避けることをいとわなかった。ではなぜ、今大会でのカムバックを決めたのか。

「150回目という記念だったりと、大会に戻ってきた理由はたくさんあるよ。でも一番はセント・アンドリュースの“名誉市民”に選ばれたから。これはとても特別なこと。アメリカ人でこのような栄誉を受けたのはこれまで二人だけ。とても光栄なことだよ」

今年6月、ニクラスはボビー・ジョーンズ、ベンジャミン・フランクリンに次いで栄誉ある称号に付くことが発表された。そして名誉市民としての招待を受け、戻ってこざるをえなくなった。

ゴルファーが誰しも“聖地”と憧れを抱くのと同じように、ニクラスにとってもひと際特別な場所だ。「1964年に初めて足を踏み入れた。そのとき1番ティに立って、景色を見て。町のすべてを見て、すぐに恋に落ちたんだ」。あす12日(火)、町ではニクラスの名誉市民栄誉の授賞式が予定されている。