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聖地での全英オープンに挑む6人のサムライ 松山英樹は昨年欠場のリベンジへ
日本勢の奮闘に期待!|(撮影:福田文平)

<全英オープン 事前情報◇11日◇セント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7313ヤード・パー72>

現地時間14日(木)、今年最後の海外男子メジャー「全英オープン」が開幕する。第150回という大きな節目を迎える本大会の舞台は“ゴルフの聖地”とも呼ばれるセント・アンドリュース オールドコース(スコットランド)。日本勢は6人が出場する。

■松山英樹は3年ぶり8度目の出場
20年大会は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開催中止、21年大会は開幕2週間前に新型コロナウイルスに感染したことにより、エントリーを取り消した松山英樹。そのため3年ぶりの全英出場となる。13年大会で初出場を果たして、今回で8度目の参戦を迎える。

メジャー大会としては最多となる、過去3度の予選落ちを喫している全英。最高位はミュアフィールドで行われた13年大会の6位タイと、その記録は更新することはできていない。まずは予選通過、そして昨年4月の「マスターズ」に続く偉業“メジャー2勝目”に挑む。

■金谷拓実は過去2戦のリベンジへ
ツアールーキーながら昨季国内男子賞金ランキング2位に入った金谷拓実。それにより出場権を獲得した。今季は海外ツアーを主戦場にすることを目標に戦いを続けているが、これまで米欧男子ツアー合わせて9試合に出場して、予選通過は1試合のみ。マスターズ、全米プロも予選落ちと、流れに乗れていない。

それでも一時帰国して参戦した「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」は11位タイ、「ASO飯塚チャレンジドゴルフ」は20位タイでフィニッシュ。不調のなかでも調整を重ね、徐々に自信を取り戻し始めている。

全英は3度目の出場。19年、21年大会の過去2度はどちらもカットラインに1打足りずに予選落ちとなった。“三度目の正直”となるか。欧州ツアーのシード権獲得を目指しているだけに、1つでも上の順位に入ってポイントを稼ぎたいところだ。

■いま“絶好調”ともいえるのはこの男
5月「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」で今季2勝目を飾り、賞金ランキングで首位に立って自身初となる海外メジャー出場を決めた比嘉一貴。さらに同大会優勝で出場権を得たBMWの冠がつく欧州ツアー「BMWインターナショナル・オープン」で10位タイフィニッシュ。それにより次戦「ホライゾン・アイルランドオープン」への出場も決めて、欧州ツアーを渡り歩いた。

同大会では3日目に「78」を叩いて後退し、最下位で4日間を終えることになったが、屈指の実力者。身長158センチと今季のツアーメンバーの中では一番背が低いものの、ヘッドスピードは50m/sを超え、ロングアイアンも得意とするショット力が持ち味だ。胸板が分厚く見た目はマッチョ。比嘉オリジナルのスタイルで、上位フィニッシュを目指す。

■公私ともに順調、今平周吾はリベンジへ
昨年は全英出場権を持っていながらも、新型コロナウイルスの状況を鑑みて出場をしなかった今平周吾は、19年大会以来の参戦となる。アジアンツアーと共催で行われた「ダイヤモンドカップゴルフ」で今季初優勝を遂げて全英出場権を獲得すると、続く「ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント」も制して、2週連続優勝を果たした。

プライベートではしゅう“ご”の5にちなみ、5月5日に同い年の一般女性と結婚。公私ともに充実したシーズンを送っている今平が、2度目となる全英の地でその勢いをみせつけたい。

■23歳・桂川有人&世界アマ1位・中島啓太、若手にも注目
アジアンツアーとの共催で行われた「SMBCシンガポールオープン」で2位タイに入り、初めての海外メジャー出場を決めた桂川有人。今季ツアー初優勝を遂げ、ほかトップ3には3度ランクイン。1度の予選落ちはあったが、安定した成績を収めて賞金ランキングは2位につけている。

トータルドライビング(ドライバーショットの飛距離と安定性)は全体1位、パーオン率も75.877%で1位につけるショットメーカー。今季の躍進が著しい23歳が、全英の地に足を踏み入れる。

そして昨年9月の「パナソニックオープン」でツアー史上5人目のアマチュア優勝を挙げ、11月には「アジアパシフィックアマチュア選手権」を制覇し、世界アマチュアランキング1位に立つ中島啓太。今年のマスターズ、全米オープンに引き続き、3度目のメジャー出場を果たす。

そのメジャーでは世界の分厚い壁に跳ね返され、どちらも涙の予選落ち。だが、今秋にはプロ転向も予定している。プロ転向前の選手だが、世界各地のメディアから注目が集まり、期待は大きい。公言している将来の米ツアー挑戦を前に、アマチュアとして少しでも結果を残したいところだ。

松山は“前哨戦”のジェネシス・スコットランド・オープンからコース入り。金谷と比嘉は欧州ツアーから。今平と桂川は国内ツアー、中島は全米オープン以来の実戦となる。第150回記念大会であり、セント・アンドリュースで行われるのは30回目という大きな節目を迎える今年の全英オープン。しのぎを削るサムライたちの熱き戦いから目が離せない。