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ジェネシス2位で全英切符を獲得! カート・キタヤマってどんな選手?
惜敗も聖地行きを決め笑顔のカート・キタヤマ|(撮影:GettyImages)

<ジェネシス・スコットランド・オープン 最終日◇10日◇ルネッサンスクラブ(スコットランド)◇7293ヤード・パー70>

最終18番ホール。ザンダー・シャウフェレ(米国)がグリーンサイドから約2メートルの位置にアプローチを寄せるのをじっと見ていたカート・キタヤマ(米国)は、わずかに勝利に届かないことを悟り悔しさを噛みしめていた。

強風が吹くリンクスで最終日に「66」をマークし、トータル6アンダーのクラブハウスリーダーで先にホールアウトした。後半、一時は首位に立ったがシャウフェレが粘りを発揮。キタヤマに2打リードの状態で最終18番を迎え、最後のパーパットこそ外したが1打差で逃げ切った。キタヤマにとってこれが今季2度目の2位。5月の「メキシコオープン」ではジョン・ラーム(スペイン)に1打及ばなかった。

「僕は今、学んでいる最中。こうやって経験を積んでいくしかない」と話していたが、またも敗れることに。それでも14日から始まる今季メジャー最終戦「全英オープン」の出場権を獲得した。ゴルフの聖地と呼ばれるセントアンドリュースでプレーできることは、素直によろこぶ。「すごくうれしい。絶対に出たかったから、この試合にかけていた」。そう話す時に口調は興奮気味だ。

ところで29歳のキタヤマは名前の通り日系米国人で、カリフォルニア州の州都、サクラメントの北の街、チコで生まれ育った。身長は170センチと小柄だが、地元の高校時代にはバスケットボールのポイントガードとしても活躍した。その後、ラスベガスの名門ネバダ大に進学。卒業式後の2015年にプロ転向をした。

下部のウェブ・ドット・コムツアーを戦い18年はアジアツアーに挑戦。同年末には欧州ツアーの予選会を3位で突破し、19年は戦いの舞台を移していた。すると自身3戦目となる「アフラシアバンク・モーリシャスオープン」で勝利。さらに11戦目の「オマーンオープン」にも勝ち、あっという間に2勝を挙げた。こうして21年の米下部ツアー、コーン・フェリーツアーを経て、今季はPGAツアーをフルで戦っている。

小柄ながらも実はロングヒッターだ。19年の欧州ツアーでは平均313ヤードを飛ばしてツアー3位。今季のPGAツアーでも308.1ヤードで30位にランクされている。父は日系米国人、母は和歌山県出身の日本人と日本との縁は深い。「セントアンドリュースはプレーしたことがないから、本当に興奮している」と満面の笑みで繰り返した。(文・武川玲子)