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「家族に会いたい」&「自信はある」パパ初優勝のS・ビンセント 海の向こうに馳せる2つの想い
全英出場権をつかんだ4人 左から優勝したS・ビンセント、A・クウェイル、B・ケネディ、J・デロスサントス|(撮影:上山敬太)

<〜全英への道〜ミズノオープン 最終日◇29日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇7461ヤード・パー72>

スコット・ビンセント(ジンバブエ)がパパになって初めての優勝を遂げた。首位と7打差で迎えた最終日、1イーグル・5バーディの「65」をマークしてアンソニー・クウェイル(オーストラリア)に並び、勢いそのままプレーオフを制した。

「プレーオフになったことに驚きだったよ」。2番パー5で2オンを狙ってグリーン左ラフまで運ぶと、およそ10ヤードのアプローチを直接決めてチップインイーグル。6番パー5、7番パー4を連続バーディとして前半を折り返すと、後半も11番パー5、13番パー4でスコアを伸ばし、最終18番パー5をバーディ締め。首位のクウェイルに追いつくと、プレーオフ2ホール目をパーで切り抜け、今季初優勝を決めた。

「いいショットが打てていたけど、パターが上手くいってなかった」と3日間耐えていたが、最終日に大爆発。4つのパー5すべてでスコアを伸ばし、パット数は本人も「驚いた」という“23”をマークした。さすがは昨年ツアー初勝利を含む2勝を挙げた実力者。勝負どころでの猛チャージで大逆転劇を披露した。

今年4月5日に娘のゾーイちゃんが生まれたビンセント。昨シーズンまでは妻のケルシ―さんがキャディを務めていたが、出産・育児のために米国に帰国している。「コースに来る前、毎日テレビ電話をしてるよ。いまもコロラドの家で応援してくれていると思う」。ケルシ―さん、ゾーイちゃんと同じ空間で優勝を祝うことはできなかったが、このあとテレビ電話で喜びを共有する予定だ。

7月に行われる「全英オープン」の出場権も得た。ゾーイちゃんがまだ生後2カ月にも満たないため「医師にも聞いてみないとだけど、連れていけるかは…(分からない)」と家族全員で“ゴルフの聖地”セントアンドリュースを訪れることは難しそう。「早く家族に会いたいね」。それでもその1カ月後、8月の日本ツアー「日本プロゴルフ選手権」頃から、妻子を日本に迎えて3人一緒に過ごせるように、準備を進めているようだ。

家族の話をするときにはその表情を緩ませるが、全英オープンへの意気込みを聞かれると、やや顔を引き締める。「全英オープンに出るのは子供のころからの夢だった。実現して信じられないよ。あっちでもいいプレーができるという自信はある。頑張りたいね」。海外メジャーには初出場となるビンセント。開催地のスコットランド、そして妻子が暮らす米国コロラドへ、長い髪をなびかせながら海の向こうに思いを馳せた。

【そのほか全英オープン出場権獲得者のコメント】
アンソニー・クウェイル(オーストラリア)
(プレーオフでビンセントに敗退して)「とにかく今は残念。優勝したかった。でも全英オープンに行けることは素直にうれしいから、初めて出場する全英オープンを頑張るよ。(開催地の)セントアンドリュースはこれまで2回プレーしたことがあるし、今回もとても楽しみだね」

ブラッド・ケネディ(オーストラリア)
「全英オープンは4度目。セントアンドリュースでプレーしたことはあるけど、全英オープンでのプレーは初めてだから、いまから楽しみだよ」

ジャスティン・デロスサントス(フィリピン)
「(きょうは)最初からいいスタートが切れた。ハーフ終了後には優勝を狙えるかもと少しプレッシャーがあったけど、4位に入れて、全英オープンの出場権を獲得できてうれしい。全英オープンは初めてだし、セントアンドリュースの開催なんて、楽しみで仕方がないよ」