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好スタートを切ったジョーダン・スピース 17年王者が見つけた4年前との類似点
上位進出を狙う金谷拓実|(撮影:GettyImages)

<全英オープン 初日◇15日◇ロイヤル・セントジョージズGC(イングランド)◇7211ヤード・パー70>

第149回の「全英オープン」初日にジョーダン・スピース(米国)がマークした「65」のスコアは、奇しくもスピースがクラレット・ジャグを掲げた2017年大会のファーストラウンドに出した数字と同じだ。

この日は3番のパー3でボギーを叩くが、それでようやく目を覚ましたのだろう。残りの15ホールでミスショットは見られず、6バーディを奪うなど、ほぼ満点のプレーを披露。首位に立ったルイ・ウーストハウゼン(南アフリカ)と1打差にぴたりとつけて2日目に臨む。

ライバルにとって脅威となるのは、スピース本人が4年前の優勝時と類似する点が多いと感じているところだ。

「(優勝した)バークデールはキャリーを必要とするコース。これは全英オープンで使われるほかのコースとは大きく異なるところだ。転がすことはあまりできないからね。そしてここも同じで、転がすのはあまりできないコースなんだ」

戦略が似通っている点が、スピースのゴルフに合っている。

「両コースとも“空中戦が必要なリンクス”なんだ。ボールを上げなくてはならないが、だからといって大きな番手で距離を稼いでグリーンに乗せるようなことはできない」

さらにマット・クーチャー(米国)を逆転し、3打差をつけて優勝したあの17年大会。スピースは完全な“ゾーン”に入っていた。本人も、「17年はどこの会場でプレーしていたとしても、優勝できたと思う。それくらい調子がよく、おそらく僕の人生で最も好調だったと言ってもいいだろう」と振り返ったように、絶好調の状態だった。以来、数シーズンにわたって低調なパフォーマンスが続いていたが、この27歳の米国人は最高のタイミングで復活の兆しを見せている。

「今回は久々に調子が上がっている。ティショットでは自分の出すラインに自信を持て打てているし、きょうもいいショットが打てていた。だから65というスコアを出すことができたんだ。もちろん、さらに向上させたいけどね」

スピースには、さらに朗報がある。予選ラウンドを一緒に回るブランデン・グレイス(南アフリカ)は、18年のフランチェスコ・モリナリ(イタリア)、19年にはシェーン・ローリー(アイルランド)と同組で予選ラウンドをプレー。つまりグレイスは、最終的な優勝者と2大会連続でプレーしているのだ。

運を担ぐタイプではないとはいえ、これを知ったスピースは、「フィールドには150人以上のトッププレーヤーが顔をそろえて、その人たちを負かさなければ優勝はできない」と前置きしたうえで、満面の笑顔でこう続けた。

「でも、いいね、それ。単純に考えればフィフティー・フィフティー(同組は3人で、グレース以外の2人に一人という意味)ということになるから、150分の1よりはずいぶん可能性が高くなった!」

果たしてこれらすべての偶然が重なり、スピースの優勝は必然となるのか!?