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ダスティン・ジョンソン 10年前の忘れ物を取り返せるか!?
DJが全英タイトルを狙っている|(撮影:GettyImages)
<全英オープン 事前情報◇14日◇ロイヤル・セントジョージズGC(イングランド)◇7211ヤード・パー70>

メジャー大会2勝、世界ランキング1位、欧米ツアー通算27勝…。誰もがうらやむ素晴らしいキャリアを送っているダスティン・ジョンソン(米国)。だが、自身がこれまでに達成してきた偉業の多くを上回るものがあるとジョンソンは言う。クラレットジャグを掲げることだ。


だからジョンソンは、強い気持ちを持ってこのロイヤル・セントジョーンズに乗り込んだ。そして、一部のゴルフファンにとってまだ記憶に新しいかもしれないが、このイングランド南部のコースこそ、彼が世界最古のメジャーに最も近づいた場所なのである。

ダレン・クラーク(北アイルランド)に勝利の女神が微笑んだ2011年大会。当時27歳、飛ばし屋として売り出し中だったジョンソンは、最終日最終組でスタートして一時は首位に2打差まで詰め寄ったものの、雨降り、風が吹き荒れるリンクスコース特有の荒天に惑わされて初のメジャータイトル獲得を逃した。

しかし、あれから10年経過した。当時のジョンソンと現在のジョンソンは、まるで別人だ。昨年11月に行われた「マスターズ」で16年「全米オープン」以来となる2度目のメジャータイトルを奪取して、「メジャー複数回優勝者」のエリートゴルファーの仲間入りを果たした。正真正銘の一流選手に成長したのだ。

昨年は、コロナ禍で不確定要素ばかりだったが、ジョンソン自身は前述のマスターズを含めて好調をキープした。今季は、2月の欧州男子ツアー「サウジ国際」で優勝したものの、以降は不安定なプレーぶりが目立った。しかしながら、本人はここにきての復調を強調する。

大会前日の記者会見では、第149回「全英オープン」に向けて意気込みを語り、自信をのぞかせている。

「ここ6、7カ月はいいゴルフができているし、以前のレベルまで戻ってきた。ショットが安永してきている。本当に紙一重のところだ。パッティングもいいし、ここしばらくは好感触を維持している。そのために練習もしっかりこなしているし、これこそがいいスコアと悪いスコアの差になると思う」

死角なしとまではいかないが、手ごたえがじゅうぶんといったところだ。

「全英オープンを勝てれば、それは私の中では大きな偉業だといえる。もちろんメジャーだから特別だけど、この大会で私はあと一歩のところまで数回来ている。全英は好きなトーナメントなんだ」

前回このコースでプレーしたことを振り返れば、いい戦えたという記憶がよみがえる。

「2011年はずいぶん昔の話のように思えるけど、前回のパフォーマンスは良かったし、ここではいい思い出がある。タフなゴルフコースで、特に、今週は風が強くなるらしいから風向きを読むのが困難になり、苦戦を強いられるのは間違いないが、個人的には好きなゴルフコースだ」

天候次第で牙をむくリンクスコースだが、そこは経験豊富なジョンソン。立ち向かう準備は整っている。

「狙ったところに打てなければ厳しい戦いになる、典型的なリンクスコース。地面が10年前よりも少し軟らかいけど、あの一週間は雨が降りまくったからね。晴天が続いて少し硬くなり始めているから、いい感じに整ってきた。選手権に向けて、素晴らしいコンディションになるはずだ」

悲願の全英オープン制覇へ。10年前は悪天候の影響から “忘れ物”をしてしまった。37歳となり、成熟したゴルファーへと進化した今、忘れ物を取り戻すことはできるだろうか。

ジョンソンは日本時間の午後6時20分にスタートする。