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シェーン・ローリー、「ギャラリーの声援が力になる」ファンにインスパイアされ、連覇へ闘志

前回大会王者のシェーン・ローリー(アイルランド)はトップゴルファーであると同時に、エンターテイナーだ。ファンの声援に後押しされて波に乗るタイプで、逆にそれがないと本領を発揮しきれない。

大会前の記者会見。北アイルランドのロイヤル・ポートラッシュで開催された前回大会で、隣国アイルランド出身者として“準地元”の地の利を生かして悲願のメジャー初制覇を手繰り寄せた男は、低調を極めた昨シーズンを振り返った。

「言い訳をするつもりはないが、観客なしでのプレーでは私は燃えない。ギャラリーがいてこそ、自分のプレーができるんだ」とし、「ここにいることができてとてもうれしい。それ以上に、今大会ではギャラリーがコースに戻ってくる。それがうれしくてたまらない」と続けた。

だからこそ、今週はロイヤル・セントジョージズに訪れてくれるゴルフファンのために、全力を尽くして連覇を目指すつもりだ。

新型コロナウイルスによるパンデミックの影響から昨年行われる予定だった大会が今年に順延。そのため、ディフェンディングチャンピオンとしてプレーするまで、ローリーは2年にわたりクラレットジャグをキープした。

もちろんこれは非常に稀な出来事であり、前回このようなことが起きたのは1939年から1946年にかけて。第二次世界大戦により大会が行われなかった際に、ディック・バートンが7年間にわたり「チャンピオンゴルファー」の称号を維持したときまで遡る。

昨年大会が延期となりローリーが残念がったのは言うまでもないが、同時にギャラリーなしの会場でのプレーには、本人も「苦戦してきた」と打ち明けている。

それだけに、1日3万2000人の観客動員が認められた今大会を待ちきれないと、34歳は青い目を輝かせる。

「もちろん常にビッグトーナメントでプレーしたいと思っているから、昨年全英オープンが開催されずにがっかりした。しかし多くのギャラリーとグランドスタンド、大きな大会特有の雰囲気の中でプレーできなければ、楽しめない。ギャラリーが入る今週の大会は素晴らしいね」とファンの声援が後押しとなる。

「昨年のロックダウン後は苦しんだ。カットラインぎりぎりとか、リーダーボードの下のほうにいるとき、ギャラリーの声援があれば、力がみなぎってくるんだ。プロスポーツはエンタテインメントだ。難しいショット、例えば木の後ろにボールがあったり、アップダウンの激しい難コースでは、ショットを打つ際に自分の腕前を自慢するような意識もあるんだ。だからギャラリーがいなかった2020年は完全になかったことにして、今週のプレーを楽しみにしている」

月曜日に優勝トロフィーを大会主催者であるR&Aに返還したローリーだが、本人は「あくまで一時的なこと」だと考えている。

「クラレットジャグを返すつもりはまるでない。先ほど返還はしたけど、私がここに来たのは王者の称号を守るため、そしてジャグをキープするためだ。1番のティでは『チャンピオン』として名前を呼ばれる。ティショットを待ちきれないし、楽しみだ。1番ホールのあのラフを見た人はわかると思うけど、そのショットがフェアウェイに乗ればなおさらうれしいね!」

ギャラリーがコースに戻ってきた今大会で、ファンにインスパイアされたローリーの活躍に注目が集まる。