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「アメージングのひと言だ」第148回大会覇者 シェーン・ローリーの一問一答
にこやかに記者会見へ臨んだシェーン・ローリー

―優勝おめでとうございます。素晴らしいパフォーマンスでした。今のお気持ちは?

「正直にいうと自分でも理由は分からないが、信じられないほど冷静なんだ。おそらく2、3日しないと実感がわかないんじゃないかな。こうしてクラレットジャグが自分の目の前にあることが信じられない。ここに刻印されている選手たちの名前を見ると、本当に自分が優勝したのか、これが現実なのかが信じられない。(優勝について)頭の片隅にはあったけど、なるべく考えないように我慢し続けた。ようやく考え始めたのは17番のティショットを打った後のこと。あのショットを打ったあとに、ここから負けることはないはずだと感じた」

―ギャラリーの声援についてはいかがですか?

「オー・マイ・ゴッド! アメージングのひと言だ。信じられない、本当に信じられなかった。ギャラリーの中には、私の故郷から来ている人も来てくれていたのが見えた。私が首位に立っているから、今朝にわざわざ応援に駆けつけてくれたんだ。コース上は本当に素晴らしかった。過去に地元のファンの前でプレーした際には、いいパフォーマンスができなかったこともあった。だけど今週は違った。とてもいいゴルフができたし、最高の気分だ」

―スコアだけを見ると楽勝のようにも見えますが、実際にプレーしていたご自身はどのような気持ちだったのですか?

「スタート前は大幅にリードしていた。でも1番のティショットがいきなり怪しかった。2打目は悪くなかったが、自分の思ったほど距離が出なかった。そして1番グリーンに立った時点では、トミー(・フリートウッド)はバーディチャンス。逆に私は3メートルの微妙な距離のボギーパット。ここで3打差を縮められる可能性も十分にあった。しかしトミーが外して、私が決めた。ここで1打差しか縮められなかったのが大きかった」

「そして中盤に差し掛かり、リーダーボードを何回か目にした。今日のコースは本当にタフだった。8、9番ホールのティショットの際には大雨に降られたのだけど、ティにボールを置いて、ベストを祈るだけだった。それほど雨が強烈だったんだ。最終的に気持ちが落ち着いたのは14番が終わってから。13番のティショットが悪かったのだけど、セカンドでナイスショットができた。トミーもティショットでグリーンを外した。私のショットのとき、風はフォローで、9番アイアンの簡単なショットのはずがミスショットしてグリーンを捉えられなかった。でもそこで、差を縮められないで済んだ」

「14番のボギーはあったけど、自分としては上がりの5ホールは非常に良いゴルフができたと思っている。特に14番をトミーがダボにした後は、優勝の可能性が高くなったと感じた。私もボギーだったが、4ホールを残して5打差に広がったからね」

―メジャー制覇、とりわけクラレットジャグを勝ち取ったことについて教えてください。18番のフェアウエーを歩いているとき、どのような気持ちでしたか? まだあなたが20歳だったときに同胞のパドレイグ・ハリントンが全英オープンで優勝して、アイルランド出身の選手たちの道が開けたとも思います。

「17番のティショットの話はもうしたけど、18番のティショットで確信した。そこからは楽しむことができた。フェアウエーを歩いているときは、信じられない気持ちだった。ギャラリーのボルテージは最高潮でワイルドになっていた。『オレ、オレ』とチャントをしてくれていたようだね。これが現実に起きていると、信じられなかった。パディー(ハリントンの愛称)とGマック(グレーム・マクダウェルの愛称)がグリーンの奥で待っていて、私を迎え入れてくれたのも、とてもうれしかった」

「もちろん、家族と友人もいた。旗がどこにあるのかを確認して歩いていたときに、グリーンの奥にみんなの姿が見えたんだ。本当のことを言うと、あの瞬間はちょっと涙ぐんでしまった。だけどキャディのボー(=愛称、ブライアン・マーティン)が、まだショットが残っているから落ち着くようにといってくれて、幸運にも2打目をしっかりと打てて、2パットでフィニッシュできた。(その後は)ゆっくり歩いて、できるだけあの雰囲気を味わうようにしたんだ。でも、あまりに非現実的すぎて、簡単ではなかったね。18番のフェアウエーを歩くあの経験は、超現実の世界のようだった。ギャラリーの多くが私を応援してくれていたから、特にそう感じた」

―1951年以来、初めてアイルランド島で開催されたこの大会で、アイルランド人が優勝したという既成事実。これについてはどう考えていますか? とりわけ、スポーツ以外の部分の「歴史」があります。今日のこの勝利は、何かの象徴のようなものになりますか? 感情が込み上げたりはしましたか?

「今週のこの1週間を見て、今後10年以内に再びここで大会が開催されなかったら、私はすごく驚くだろう。個人的には今大会が8度目の出場だったが、運営面もコースも、すべてが最高の大会だった。コースについては、みんなすごく褒めていた」

「ポートラッシュは信じられないほど素晴らしかった。アマチュア時代にも成功を収めたコースで、自分がお気に入りの場所だということは分かっていた。だからといって、そればかりを考えたりはしなかったけどね」

「これからホーム(自宅)に帰るけど、すでに今、ホーム(地元)にいる。この意味が分かるかな? 地元で優勝をしたんだ。家族や友人も気楽に応援しに来てくれたし、地元の人たちと一緒に祝えることも、とてもうれしいことだ」

―キャディのボーについて聞かせてください。

「この1年間、ボーはとても頼りになっている。昨年9月ごろからバッグを担いでもらって、そのころから調子も上向いた。私に活気を取り戻してくれた。ボーもとても興奮しているよ」

「今日の彼も素晴らしかった。ずっと私に話しかけてくれて、サポートしてくれた。ナーバスだったし、失敗するのを恐れていた。それをボーにはすべて伝えてあった。4、5打差のリードをなしに18番にたどりつくのが怖かったこともね。幸運にもそれができたけど」

「今日も本当によく助けてくれた。この10カ月間、とても素晴らしく、それは結果として表れている。私たちのパートナーシップも良好だ。ボーは2週間前に赤ちゃんが生まれて、奥さんもわざわざ運転して応援に駆けつけてくれた。産まれて2週間の息子さんとね。すべてが最高だ。ボーとはもともとつき合いが長くて、今ではとてもいい友人の一人でもある。近しい友人とこの喜びを分かち合えて、とても光栄だ」

―大会開幕前にコーチのニール(マンチップ)との会話は、どのような影響をもたらしましたか?

「大会前夜の水曜の夜はすごくナーバスになっていて、心配な部分が多かったから、あの会話には大きな意味があった。Gマックも含めて、ほかの選手もそう感じていたんだじゃないかな。(アイルランド島出身の選手として)絶対にやりたくないのは予選落ちだった。それは私たちにとって、最悪の結果だ。そういった後ろ向きな考えが頭の中にあったんだ。最低でも4日間プレーしたいと思っていたし、最近の調子も悪くなく、地元の大会だからいいパフォーマンスをしたかった」

―幼いころは全英オープンで優勝する目標がありましたか? メジャー王者になれる力があると思っていたのですか? 昨年のカーヌスティでの予選落ちについても教えてください。

「今朝の時点でも、メジャーで優勝できるとは思ってなかったような気もする。何日間か良いゴルフをできる力があるのは分かっていたし、このコースで実力を発揮できることも分かっていた。だからコースに出て、全力を尽くしただけさ。だけど今は、『私がメジャーチャンピオンだ』と公言できる。信じられないことだけどね」

「だけど、私の周りの人たちは信じてくれていた。それは大きな自信になった。落ち込んだとき、ニールと真剣な話をした際、彼はいつも『最低でも一度は勝てる』といってくれた。だから分かったけど、周りの人が信じてくれることは、自分にとってとても大きな自信になる」

「(全英オープンについて)私はアイルランド人だ。全英オープンを夢見て大きくなっていった。いつもジ・オープンだった。そうだろう? パディーが優勝するのを二度見ているし。当時は彼とは会ったこともなかったが、今ではとても親しい友人だ。そして彼が18番で待っていてくれた。パディーのうちに行くと、クラレットジャグがキッチンにあるのだけど、私もそれができるんだ。うれしいな」

「カーヌスティについては、ゴルフは何が起こるか分からないスポーツということだ。だから調子が悪いときでも懸命に戦わなければならないんだ。12カ月前に予選落ちしたとき、カーヌスティの駐車場で泣いたんだ。ゴルフがまるで楽しめずに、ゴルフが友だちではなくなっていた。ゴルフにストレス、そして重みを感じていた。それが12か月後、こうして状況は大きく変わった」

―2009年に欧州ツアーでブレイクした際、パドレイグとポール・マクギンリーの存在は大きかったですか?

「当時、多くの人が私を助けてくれた。ガリー・マーフィー、ダミエン・マクグレン、ピーター・ローリー…… 。まだ分かった私がいつも一緒の飛行機に乗れるようにしてくれて、同じ宿舎に泊まった。夕食も一緒、練習ラウンドも一緒に回った。彼らはいつもサポートしてくれたんだ」

「そしてパディーとGマックも当然助けてくれた。今ではとてもいい友達だ。アイルランド人ゴルファーの第一人者になったパドレイグ・ハリントンのような選手と一緒に行動できて、とても幸運だった。彼らのようにメジャー大会で成功したその一員になれて、本当にうれしい」

「以前は、彼らの成功のせいで『アイルランド人のお前はいつメジャー優勝するんだ?』って聞かれることが多くて、本当に嫌だった。レギュラーツアーで勝つだけなのも大変なのに、分かってもらえないんだ! アイルランド人のゴルファーの我々は、とても幸運だ。ツアー上のアイルランド人の数が少ないという人もいるが、スタンダードは非常に高い。ロリー・マキロイは世界有数のトッププロだ。もしかしたら、現在最高の選手かもしれない。Gマックは完全復活が近いし、パディーもダレン(クラーク)もいる。彼らは信じられないほど素晴らしいゴルファーだ」

―メジャーで複数回勝てると思いますか?

「まず、この優勝を楽しませてくれよ!(笑)。当然、この成功がまぐれじゃないことを証明したいとは考える。だがまずはこの優勝を楽しんで、将来的にはまたサクセスを目指すことになる。来年ウィスリングストレイツでプレーするのも、今後12か月間のプランでもある。それまでに2勝くらい挙げられれば素晴らしい。この勝利は特大の意味を持つ。メジャーの勝利、そして米PGAツアー参戦1年目で2勝できた。FedExカップでも大きくジャンプアップしたのはうれしいことだ。だから、今後は忙しくなるのは間違いなく、ワクワクしている。だけどまずは、この優勝を楽しみたいな!」