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ロリー・マキロイ公式記者会見「今、自分のキャリアの中でも最も安定したプレーができている」
五輪出場にも触れたロリー・マキロイ

―今大会は特別な大会ですが、マキロイ選手自身を含める北アイルランド出身の選手全員にとっては、さらに記念すべき大会になると思います。明日のティショットの際には、どのような感情が込み上げてくると思いますか?

 

「ダレン(・クラーク)やGマック(グレーム・マクダウェル)ほど、ここロイヤルポートラッシュGCとの歴史はないけれど、ボクがこのコースを初めて訪れたのは父親がノース・オブ・アイルランドという大会に出場したときのこと。確か7、8歳だったと思うけど、父親がコースでプレーしている間、チッピンググリーンでアプローチをして遊んでいたことを思い出す。毎夏にここにやってきていたんだけど、それが突然、今度はボクがノース・オブ・アイルランドに出場することになった。10歳のときには、父が誕生日プレゼントとしてコースでプレーさせてくれたんだ。そのときに初めてダレンに会った。最高にクールな瞬間だった」

 

「ボクが育っていくうえで、ロイヤルポートラッシュは大切な一部となった。そんな場所で全英オープンが開催されるなんて、思ってもみなかった。昨日、車でコースに来る際にフッと右側を見たら、2番のティグラウンドが見えたんだ。そこには、たぶんトニー・フィナウだと思うんだけど、世界のトップゴルファーが立っているのを見て不思議な感覚だったね」

 

「でも、とても素晴らしいことだと思う。ボクらが選手として頑張ってきた証(あか)しでもある。Gマックが全米オープンで、ダレンは全英オープンでそれぞれ優勝した。ボクの成功も少なからず貢献しているはずだ。このような大きな大会を開催することで、北アイルランドという国がどれだけ発展したかも分かる。ここに戻ってこられて、しかもその一部になれたことが本当にうれしい。いまはただ、明日ティオフして、大会がスタートするのが楽しみで仕方ない。これほど大きなスポーツイベントは、この国では長い間開催されていなかった」

 

―米国勢が好調で、米国人だけで年間メジャーのグランドスラムをする可能性があります。“ホーム”でこれを阻止するのは重要なことではないでしょうか?

 

「そのためにここにいるわけではない。今のサイクルがそうなっているだけで、例えば2010、2011年はメジャー大会で欧州勢の活躍が目立っていた。だから、こういったことを重要視する理由はどこにもないと思う。アメリカには素晴らしい選手が多くいる。ブルックス(・ケプカ)は素晴らしい結果を残して、タイガー(・ウッズ)も戻ってきた。でも、これらはすべてサイクルであり、段階的なことなんだ。だから何かを『阻止』しようとなんて考えていないし、自分はただ純粋にいいゴルフをして優勝することしか考えていない」

 

―過去にアイルランド・オープンに出場した際にはプレッシャーを感じると口にしたこともありましたが、そのプレッシャーをよりポジティブにできると思いますか?

 

「おそらく全英オープンというメジャーな大会だから、今週に限れば普段よりも簡単なことだと思う。世界中からトップゴルファーが押し寄せていて、すべてがボクに集中しているわけではないからね。68年ぶりに全英オープンが北アイルランドに戻ってきたのは確かだし、ボク自身が北アイルランド出身で地元の声援を受けられるのも本当だ。しかし、すべてがボクに一点集中するわけではない。ただ純粋に大会を楽しみたい。そして、次にここで全英オープンが開催されるまで、68年間も待たされないことを願っているだけさ」

 

「ただ同時に、もしかしたらこのような機会に恵まれることは二度とないかもしれないから、このスペシャルな経験、時間を大切に過ごしたいとも考えている。あのコースに出てプレーし、たくさんのギャラリーに囲まれて声援をしてもらえるということを、ただただ楽しみたい。素晴らしいサポートを受けても頑張れないようなら、ほかに後押ししてくれるものは何もない」

 

―CBSが発表した「ストロークゲインド」の統計を見ると、今季のマキロイ選手は首位に立っています。そして、その数値は歴代4位と高いものです。これは自信につながるものですか、そして自身のゴルフの調子はどうですか?

 

「イエス。たぶん今は、自分のキャリアの中でも最も安定したプレーができている時期だと感じている。ストロングゲインドの数値は、自分のゴルフでいい部分と悪い部分を比較するうえで、とても役に立っている。今週どのような練習をすべきか、来週の大会はどのように準備をすべきなのかといった具合にね。2.5ストローク安定して“ゲイン(勝る)”していたら、自分の調子がいいということ。現状では3ストロークを目指しているところで、もしそれが達成できれば勝利も近づくし、すべては自分の思っているところに収まることになる」

 

―昨日着けていたウェアには洗濯機のロゴがついていました。その理由は?

 

「ナイキが仕掛けたんだ。タイガーのヘッドカバー同様、ナイキは今週何か特別なことをしたい考えていて、ボクが洗濯機を選んだのさ。ボクがここで育ち、冬でも夜遅くまでゴルフボールを洗濯機に打ち込んでアプローチの練習をしたんだ(笑)。素敵な思い出だし、良いアイディアと思ったんだ」

 

―最近ポートラッシュでは何ラウンドプレーし、今大会は例年とは違う形で準備をしているのですか?

 

「ライダーカップの後に一度プレーして、先週の土曜日にもラウンドした。あとは昨日。過去1年間で3ラウンドになるね。これは普段の全英オープンとあまり変わらない。ボクの場合、開催コースでプレーしすぎると打ちたくない場所ばかりを意識してしまうようになる。このコースでは良いゴルフをしたこともあるし、何をすべきかも心得ている。到着するまでは全英用のセッティングになったりしているかもしれないと心配もしたけど、変わりはなかった。考えすぎていたんだと思う。どこに打つべきか、避けるべきかは分かっているから、大会のレベルが高かろうが低かろうが、大きなギャラリーがいようがいまいが、コース自体は変わらない」

 

―すでに軽く触れましたが、コースを知っていることが“微妙な”部分で有利に働くことはありますか? また、雨はプレーにどのような影響をもたらすと思いますか?

 

「あると思う。例えばアプローチでは、見た目では難しそうだけど、実際にプレーしてみるとそれほどでもない場所もある。昨日、トーマス・ビヨーンがボクについて歩いて回ったときのこと。3番ホールで、ボクは右側のバンカーをドローで越していくショットを打ったんだ。周りから見ていたらグリーンを大きくオーバーすると思ったようだけど、グリーンに行ってみたら真ん中にナイスオンしていた。トーマスは絶対にありえないと思っていたみたいだ。こういった小さいところもそうだし、どのラインを打てばいいかを理解している点もそう。ほかの全英開催会場に比べて、そういった部分を分かっているから少し気が楽になる」

 

「雨は、例えばきょうは南からの風だけど、横風になると厳しくなる。今後は南西の風のようだけど、そういった横からの風が多くなるとコースは非常にタフな顔を見せてくるんだ。もともとコース自体がドッグレッグみたいな感じのホールが多いから、横に打たなくてはいけないところに加えて横風が入ってくる。そして、大きなカギを握るのはフェアウェーバンカーとラフ。もし、2打目を長く残してしまったとしても、これらは絶対に避けなければいけない。フェアウェーの上からならプレーできるコースだからね。ラフもこの2週間で一気に伸びているから、ラインから外れてしまうとスコアメイクが苦しくなるはずだ」

 

「あまり知られていないけど、キャディのハリーはボク以上にこのコースでラウンドしている。競技ゴルフに限れば絶対にそうだ。数年前にはノース・オブ・アイルランドの決勝ラウンドにも出場しているし、コースを熟知している。ボクにとっては大きなプラスになる」

 

「コースレコードの61を出した2005年からコースは大きく変わっている。パーも違うし、ホールも変わった。距離が伸びたコースも少なくないし、パー5がパー4に変わっているところもある。今日のコンディションなら67、68くらいが好スコアだろうな。昨日の午後みたいな状況なら63、64、65まで伸びてくるはずだ」

 

―五輪でもプレーしてみたいという話をしていましたが、以前とは大きくスタンスを変えましたね。何がそうしたのですか? そして五輪出場はどのような意味を持ちますか?

 

「より深く考えてみたんだ。自身にとって重要な大会か? なぜプレーすべきか? 国を代表したいのか? といった感じで、いろいろね。以前、この問題について、ほかの人の意見を尊重している部分もあったような気がする。でも考えてみれば、すべては自分で判断すべきこと。全員を喜ばせるのは不可能なことなんだ。ボクがどの国を代表するか、誰のためにプレーするかなど気にする人は、ボクには関係ない人ばかり。だから、ゴルフの現状を考えても、五輪競技になったゴルフというスポーツを考えてみても、プレーする機会があるのに出場しないことは将来的に後悔するだろうと感じた。それが考えを変えた理由だし、経験したいとも思った。過去には味わったことのない素晴らしい経験になるはずだ。さらに、オリンピックが行わるのは日本だ。日本が大好きで、日本人も大好きだ。和食も大好きだし、最高の1週間になると思う」