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谷原秀人、圧巻のプレーで逆転!思わぬところで役に立った全米での経験
ようやくつかんだメジャータイトル、喜びは格別!|(撮影:米山聡明)

<日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 最終日◇10日◇北海道クラシックゴルフクラブ(7,094ヤード ・パー72)>

名勝負といっても良いだろう。国内男子メジャー「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」の最終日。雷雲接近により2度の中断を挟むも、競技は無事に終了。3打差の2位タイから出た谷原秀人が9バーディ・ノーボギーの“63”をマーク。コースレコードタイのスコアをたたき出し、トータル22アンダーで逆転し、自身2度目の2週連続優勝を達成。そして、ツアー通算13勝目にして初のメジャータイトルを手にした。


序盤で首位から出た武藤俊憲が5連続バーディを奪取。「何してくれてんだ、と思いましたよ」と、自身も5番までに3つのバーディを奪うがなかなか背中を捉えることができなかった。しかし、「絶対に楽には勝たせねーぞと。最後まで苦しめてやる」と心の中では闘志を燃やし続けていた。武藤とは歳が1つ違いで、「同世代には負けたくない」という気持ちが原動力だった。

流れが変わったのは、2度目の中断があけた14番。ドライバーでワンオンを狙ったショットは池へ。その打ち直しの3打目から再開し、110ヤードを52度のウェッジで50センチにつけなんとパーをセーブ。「いいショットでしたね」とピンチをスーパープレーで切り抜けた。

この時点で武藤と4打差がついたが、「残り全ホールでバーディを獲ればいい」と心は全く折れなかった。16番では武藤が3打目をグリーン奥にこぼし、寄せきれずボギー。谷原はここでバーディを奪い、一気に2打差を詰めると、17番パー3では7メートルをねじ込んで大きくガッツポーズ。「5発打っても1発も入らないパット」という会心のプレーで1打差につめよる。そして、この驚異の追い上げにプレッシャーがかかったのか、武藤が最終ホールをボギーとし勝負はプレーオフへもつれ込んだ。

18番で行われたプレーオフ1ホール目。谷原のティショットは右の林に入ってしまうが、「このクラブでしか届かない」と迷わず3番ウッドを振りぬきグリーン前までボールを運ぶ。そして、谷原は約1メートルに寄せパー、武藤がパーパットをショートし勝負あり。谷原の優勝が決まった。

勝負を分けたのは2度目の中断が明けてからのプレー。谷原は「腰がカチンコチンだった」そうだが、「全米オープンでは3回あったし、ボクが一番ベテランだと思ってやった」。今年の海外メジャーでの経験が思わぬところで役に立った。

先週は伸ばせずに勝ったが、今週は会心のプレーで優勝。「めちゃくちゃ嬉しいですね」と優勝会見では満面の笑顔を見せた。この勝利で賞金ランキングはキム・キョンテ(韓国)を抜き1位に。最高の流れで次週の海外メジャー「全英オープン」で弾みをつけた。

「予選通過できれば、上に行くチャンスも出てくる。何とか今日中に終わってくれてよかった」。明日には日本を発ちイギリスへ。ゴルフの故郷でも、きっと何か貴重な経験をつみさらに強くなって日本に帰ってきてくれるはずだ。