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「苦しんだ」五輪辞退ジョーダン・スピースの苦悩と東京への思い
五輪回避の理由を口にしたスピース|(撮影:岩本芳弘)

<全英オープン 事前情報◇12日◇ロイヤルトゥルーン(7,190ヤード・パー71)>

前日、8月に開催されるリオデジャネイロ五輪米国代表を正式に辞退したジョーダン・スピース(米国)が全英オープン開幕を2日後に控えた火曜日に公式会見に姿を見せた。口にしたのは決断までの苦悩と、五輪ゴルフへの思いだった。


ジェイソン・デイ、ダスティン・ジョンソン、ローリー・マキロイがいる世界ランクトップ4の中で最後の決断となったことに、スピースの苦悩が見て取れた。

「健康面の懸念。それが僕の理由だ。4人のうちの最後だとか、プレッシャーはまるで感じなかった。聞いてほしい。僕の22年の人生の中で最も難しい決断だった。これが正直な気持ちだ。どこの大学に行くかとかよりも断然難しかった。学校を辞めてプロになろうかという決断よりも、ね。本当に苦しんだんだ」。

ブラジルを中心に流行するジカ熱や、現地の不安定な治安状況はすべて“健康面への懸念”に変換することができる。プロとしての今後のキャリアとスピース自身の人生へ及ぼすリスクと、五輪ゴルフをかけた天秤。「夏季五輪、冬季五輪とも、いつもとても楽しみにしている。テレビ観戦するスポーツとして、最もエキサイティングなイベントだ。そんなイベントに参加できるチャンスがあるのだから、本気で楽しみにしていた」。だが、最後はわずかに辞退に振れた。

「開会式を見るのは辛いだろうし、同僚たちが金メダルやほかのメダルを獲得する姿を見るのも辛いことになる。ステージに立って国歌を聞く姿もそうだ。2009年から楽しみにしてきたことだし、今回(その姿を)観戦するのは、本当に、本当に難しい」。その心中は決断を下した今もまだ揺れている。

リオの苦悩を断ち切った今、思いをはせるのは4年後の夏。26歳のスピースはどんな思いで国歌を聞いているだろうか。「2020年の東京五輪は僕の目標の一つになる。特別なゴールだ」。