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ステンソンは「絶対に譲らない」あの日逃したクラレットジャグ
この日はステンソンとミケルソンの一騎討ちに|(撮影:岩本芳弘)

<全英オープン 3日目◇16日◇ロイヤルトゥルーン(7,190ヤード・パー71)>

悲願のメジャータイトルに王手だ。スコットランドにあるロイヤルトゥルーンで行われている、海外男子メジャー第3戦「全英オープン」の第3ラウンド。5バーディ・2ボギーの“68”でスコアを2つ伸ばしたヘンリック・ステンソン(スウェーデン)が単独首位に浮上して最終コーナーを回った。


強く吹いた風と時折打ち付ける雨。「爽やかな風じゃなかったかな?」と冗談めかしたが、リンクスらしい天候の中この日も耐えるゴルフを強いられた。最終組でムービングデーをスタートすると、「いつもどおりフロントナインではチャンスがあって、いいスタートが切れた。グレートなショットが打てたし、チャンスを生かせた」と4番までに3バーディを奪って同組のフィル・ミケルソン(米国)をリードした。

その後2つのボギーで後退したものの、「一番大きかったのは10番だ。10メートル以上の長いパットを沈めて首位争いに残れた。その頃はフィルのほうに勢いがあったような感じだったから」とミケルソンの背中に食らいついて離れない。終盤足踏みの続いたミケルソンに対し、バックナイン2つのパー3である14番、17番とバーディを奪って首位の座を射止めた。

2013年度には初の欧州米国ツアーダブル年間王者となった。2009年の「WGC-CA選手権(現キャデラック選手権)」の初日に見せた池のふちからの“パンツ一丁ショット”を記憶しているゴルフファンも多いはずだ。欧州ツアーを含めビッグタイトルに強いことで知られているが、メジャータイトルとは無縁。近年で最も近づいたのはミュアフィールドで行われた、2013年の全英オープンの2位だった。

そして、その時にクラレットジャグを掲げていたのは奇しくも今大会で優勝を争うミケルソン。会見場で問われたステンソンは「思い出させてくれてありがとう(笑)」と笑いを誘いながらも、リベンジへの闘志を見せた。「もちろんリベンジしたい。自分が何を欲しいか分かっている。明日大事になるのはただ一つ。フィルはそう簡単に優勝を譲らないはずだから、わたしも絶対に譲らないようにしたい。エキサイティングな午後になるのは間違いない」。もう2位はたくさんだ。