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パンツ一丁男からメジャー覇者へ ステンソンの歩いてきた道
その歩みは決して平たんではなく…|(撮影:岩本芳弘)

<全英オープン 最終日◇17日◇ロイヤルトゥルーン(7,190ヤード・パー71)>

海外男子メジャー第3戦「全英オープン」で、悲願のメジャー初優勝を達成したヘンリック・ステンソン(スウェーデン)。最終日フィル・ミケルソン(米国)と共に演じたデッドヒートの末にたどり着いたのは、メジャー最少アンダーパータイ記録の20アンダー。全英オープンにおいては2000年のセントアンドリュースでタイガー・ウッズ(米国)がマークした19アンダーをも上回る記録的なスコアで4日間は幕を閉じた。


優勝したステンソンは大会前の世界ランクは6位。2013年には史上初めて欧州米国ダブル年間王者に輝くなど、欧州屈指の実力者と知られている。しかし、2012年の世界ランキングでは230位まで下がるなど、苦しい時期を乗り越えてきた苦労人でもある。

かつてはドライバーイップスにも陥り、今ではティショットはフェアウェイウッドを多用。パー5ですらフェアウェイウッドでティショットを打つため、最もドライバーを打っている写真を撮るのが難しい選手としても業界では知られていた。さらに知名度を上げたのは09年の「WGC-CA選手権」の第1ラウンド。池のフチに止まったボールを打つ際に「この後ドロドロの服でプレーをしたくなかった」と白いパンツ一枚になってプレーした。この写真は瞬く間に全世界に拡散し、タイガー・ウッズ(米国)らからもしばらくいじられるネタとなった。

しかしそれでも、まばゆい輝きを放つローリー・マキロイ(北アイルランド)ら次世代のニュースター達が次々と誕生する中で、40歳の存在感は少し薄かったと言ってもいいだろう。今日からはもう、パンツ一丁ショットやイップスを形容詞にされることはない。2016年の「全英オープン」でフィル・ミケルソンと歴史に残る名勝負をしたメジャーチャンピオン。歴史にも人々の心にもしっかりと刻み込まれる戦いだった。