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首位スピースとは旧知の仲 日本ツアーの飛ばし屋チャン・キムが10位で決勝へ
海外メディアから取材を受けるキム、日本ツアーの飛ばし屋が注目されている|(撮影:岩本芳弘)

<全英オープン 2日目◇21日◇ロイヤルバークデール(7,156ヤード・パー70)>

池田勇太、谷原秀人、宮里優作といった日本ツアーメンバーが2日目の強風に翻弄されて予選ラウンドで姿を消す中、今季国内男子ツアーで2勝を挙げて賞金ランク2位のチャン・キム(米国)が大躍進だ。悪天候のコンディションの中“68”で回り、松山英樹と並ぶトータルイーブンパー10位タイで初の予選通過を決めた。その他、日本ツアーメンバーではショーン・ノリス、ソン・ヨンハン(5オーバー61位T)、キム・キョンテ(4オーバー45位T)が予選を通過した。


初のメジャー挑戦だった「全米オープン」は予選落ちを喫したものの、得たものはやはり大きかった。「精神面とマネジメント面でエリンヒルズでの経験を生かすことができた。我ながら、ここまではいい仕事をしていると思う」。ロイヤルバークデールはティショットのターゲットが狭くバンカーも多いため、多くの選手がドライバーの使用回数を控えながらマネジメントしている。フィル・ミケルソン(米国)にいたってはドライバーを抜いて戦った。しかし、日本ツアー屈指の飛ばし屋はどこ吹く風。果敢に持ち味を発揮した。

全英オープンのドライビングレンジでは弾道計測器により飛距離や球の高さなどが電光掲示板に表示されるが、海外ツアーの並みいる飛ばし屋達を抑えて連日ランキング1位に表示されていたのがキムだった。「(今日ドライバーを持ったのは)少なくとも7回。より攻撃的にいこうと意識していたからね。ティグラウンドに上がって『アイアンを持って安全策を取ろう』とすると、自分のスイングができずに、逆にトラブルに陥ることがある。だからドライバーを持つ判断をしたんだ」。風と距離によっては1オンを狙うホールも複数ある。

ちなみに、トップにいるジョーダン・スピース(米国)とは、かつて共に戦った経験もある。「最も印象に残っているのは、2008年にコネチカットで出場した試合(キヤノンカップ)。ジョーダンは順番でショットを打つパートナーだったんだけど、彼のショットは正確だから最高の相棒だった」当時は西部チームを勝利に導いたチームメイトだったが今はライバル。「でも、その頃とはまるで異なるステージの上で戦うことになる。彼らはトップクラスのゴルファーだから、打ち負かすためには残り2ラウンドで多くのバーディを獲る必要がある」。

ホールアウト時点では同スコアで並んだ松山と同組になる可能性もあった。「そうなったら最高だね。ヒデキほど完成された選手とのプレーは、素晴らしい経験になるし学ぶところも多いはずだ。同組になったらファンタスティックだ」。惜しくも前後の組に分かれたが、最終日に優勝を争う位置で回る可能性は十分にありそうだ。