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5年ぶりの栄冠まであと一歩、小林正則が見せた執念のラウンド
小林正則は5年ぶりの優勝に向け気合のこもったラウンドを続けた|(撮影:鈴木祥)

<ミズノオープン 最終日◇27日◇ザ・ロイヤルゴルフクラブ(8,007ヤード・パー72)>

最終ホールでダブルボギー。5年ぶりの優勝を目の前にしながら涙をのんだ小林正則。2013年の「日本オープン」でツアー3勝目を挙げてからの4年間はどん底を味わい続けてきたが、ホストプロとして臨んだ「〜全英への道〜ミズノオープン」で圧巻のプレーを見せた。


初日から上位争いを演じ続けた。最終日は首位と3打差からのスタート。前半を1バーディで折り返し首位に迫ると、10番でもバーディ。14番でもセカンドショットを1メートルにつけると、これを沈めて単独首位に立った。「しぶといパーで粘れていたし、集中してプレーしていました」と、ピンチを切り抜けながらその座を守り最終ホールを迎えた。

ここで試練が待ち受ける。「あと20センチだったのに」と、ティショットはわずかに右のラフに入り、これが最悪のライで残り100ヤード地点まで出すだけ。そこからグリーンオンはするも、2段グリーンの手前に。奥のピンに対して放たれたパットは2メートルオーバー。これを外して一気にスコアを落とした。トータルイーブンパーは優勝した秋吉翔太と1打差。悔しい2位タイで終戦した。

「最後で台無しになってしまった」。小林の復活劇を見届けようとツアー仲間が18番グリーンに集結したが、ため息のフィニッシュ。「優勝だけを目指していた。ここまできたらしたかった…」と、言葉を詰まらせた。「今までゴルフをやってきた中でも数えられるほどの悔しさ」と、いつもは陽気な男ががっくりと肩を落とした。

せめてもの救いは、上位4名に与えられる「全英オープン」への出場権を勝ち取ったことだが、それよりも悔しさがこみ上げる。「今は悔しさ一杯なのでなんともいえません。悔しさのほうが…」と、敗戦の消化で精いっぱい。とはいえ、14年シーズンからの不調を吹き飛ばすほどの気合と執念のラウンドを見せた小林。この悔しさを全英の舞台で晴らし、5年ぶりのツアー優勝を見せてほしい。