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“パターのみ”ラウンドの宮里優作は本戦出場に“時間との戦い”
腰の痛みでグリーン周りでしか打てない|(撮影:GettyImages)

<全英オープン 事前情報◇16日◇カーヌスティGL(7402ヤード・パー71)>

「全英オープン」公式練習日初日となった現地時間16日。宮里優作は、松山英樹と谷原秀人の2人とともに練習ラウンドを回った。しかし握ったクラブはパターのみ。ラウンド後に取材に応じた宮里は、「今朝(腰の状態が)よくなかったので、打たないほうがいいかなと思った」と、不安な心境を吐露した。


4度目の出場となる“はず”の今大会だが、現実的には厳しい状況に追い込まれている。もともと腰痛持ちの宮里は、前週の「アバディーン・スタンダード・インベストメンツ スコティッシュオープン」で、5月下旬の欧州ツアー「BMW PGA選手権」で痛めた腰の状態がさらに悪化。2日目が始まる直前に棄権を余儀なくされた。

迎えた今週。世界最古のメジャー開幕を目前にしながら、この日は「痛み止めも効いてきていて、今日は打てそうな雰囲気がしたが、もう一歩踏み切れない」と表情を曇らせた。

昨季は念願の日本ツアー賞金王に輝き、満を持して臨んだ今季。開幕から日米欧の3つのツアーを股にかけ、特に欧州ツアーでは4月の「スペイン・オープン」と「ハッサンIIトロフィー」で2週連続トップ15フィニッシュを飾るなど、海外ツアー本格参戦のデビューシーズンながら、一定の成績を収めてきた。

さらに、先月行われた「アイルランド・オープン」でも14位に食い込み、リンクス対策も万全。その状態で、過去3度挑んでは阻まれてきた、全英オープンの予選通過の壁に挑戦する予定だった。 

そんな本人の心意気とは裏腹に、世界中を飛び回る長旅と連戦によって疲弊した宮里の体が悲鳴を上げている。しかし「出場の方向で準備を進めている」と話す宮里の表情には、諦めはない。むしろこの状況を逆手に取り、「回っているときよりも客観的に見ることができた」と前向きだ。

無論、ショットを打てないことにフラストレーションは募るが、全英オープン開催コースの中でも「最も難しい」とされるカーヌスティを第三者の目で見て、

「『ここは打ったほうがいい』『打たないほうが』とか見られて、逆に良かった。回るとどうしてもターゲットが狭くなってしまう。見えないところが、逆に回らないことで見られた」と、スイングなしのラウンドを冷静に振り返った。

果たして満身創痍の38歳は、初日の朝にスタートラインに立つことはできるのか?待ち受けるのは、難関コースよりもさらに高くて険しい道。「時間」との戦いだ。