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2年連続の栄冠へ、ジョーダン・スピースはトロフィー返還で「悲しい気持ち」
クラレット・ジャグの返還にコースを訪れたジョーダン・スピース|(撮影:GettyImages)

<全英オープン 事前情報◇16日◇カーヌスティGL(7402ヤード・パー71)>

現地時間16日、練習日初日にも関わらず多くのギャラリーが注目するなか、大会トロフィーのクラレット・ジャグを返還した昨年覇者のジョーダン・スピース(米国)。しかし昨年王者は「1週間後には、また手元に取り戻したい」と、2年連続チャンピオンズ・ゴルファー・オブ・ザ・イヤーへ向けて意欲を見せた。


12カ月前のロイヤル・バークデイルGC。劇的な展開で勝利を呼び込んだものの、本人としては納得いくゴルフではなかった。さらにその後は、いまひとつイパフォーマンスが安定せず、今季も4月のマスターズ以降はトップ20フィニッシュが1度もない。

6月の「ザ・メモリアルトーナメント」と「全米オープン」では予選落ち、「トラベラーズ選手権」では初日に「63」の好スコアを出したものの、結果的に43位タイで終戦した。とはいえ本人は、自身のゴルフは「上り調子」と楽観視している。

そのタイミングで迎える「全英オープン」。昨年は苦しみながらも勝利をモノにし、リンクスゴルフに対する“愛情”がよみがえった。だからこそ、スピースは連覇に向けて静かに闘志をみなぎらせている。

「結果を見れば分かると思うが、今季は絶好調だとはいい難く、期待通りのパフォーマンスができていない」

「トーナメントに勝つには、激しい炎が必要になる。だが修復しなければいけなかったポイントを重点的に鍛えた今は、とても良い状態にある。以前ほど安定したゴルフができていないかもしれないが、初日のティオフまでには絶対に調整できる自信がある」

「様々な要素が絡むリンクスコースでは、調子の良さだけでは優勝できないかもしれない。だが、良いポジションにボールを運んでいければ、優勝のチャンスは十分にあるはずだ。だからこそ、今週は私にとって大きなチャンスになるかもしれないんだ」

「リンクスコースが大好きだ。風が吹けば、タフなコンディションが選手たちを出迎えてくれるだろう」

その言葉どおり、全英の使用会場としてはローテーションの中でも最難コースとも目されるカーヌスティ。コースマネジメントが重要視されるだけに、スピースが絶対の信頼を置くキャディのマイケル・グレラーの力がさらに重宝されることになる。

「(まだコースには出ていないが)仲間からは地面が硬くなっていると聞いた。マイケルの話では、普段2、3番で打つところも5番で打たなくてはいけないということだ」

「現時点ではどのように攻略するかは分からないけど、いつもとは異なったゴルフになると思う」

会場には、昨年大会のスピースの活躍ぶりを想起させる動画やサインボードがいたるところにある。大会が始まれば、米国テキサス出身の24歳の組は当然のように多くのギャラリーが追いかけることになるだろう。プレッシャーは半端ではない。しかし本人は一向に気にしない。

「プレッシャーはないよ。最高にクールな称号だからね。もし昨年に戻れるならば、15番から3連続バーディとして18番を迎えたい。結果として優勝できたし、あの流れは特別だった。ただボギーを出さずに勝てたら、より誇りに感じたはずだ。それが次の目標だ」

「今日トロフィーを返還したとき、本当に残念な気持ちになった。1週間でクラレット・ジャグを取り戻したい。ゴルフの世界でも、最高にクールなトロフィーをね」
 
目指すは、1970年以降に4人しか達成していない連覇の偉業となる。照準は定まった。