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虎の反撃!タイガー・ウッズが文字通り“虎視眈々”と優勝を狙える理由
タイガー・ウッズは10年ぶりのメジャー制覇なるか?|(撮影:村上航)

<全英オープン 事前情報◇17日◇カーヌスティGL(7402ヤード・パー71)>

タイガー・ウッズ(米国)が求めているのは、過去にグレッグ・ノーマン(オーストラリア)、トム・ワトソン(米国)と2人のレジェンドが見せたインスピレーションだ。そしてそれがかなった暁には、4度目のクラレット・ジャグを掲げることができると信じて疑わない。


ウッズが最後にメジャーを制したのは10年前。2008年の「全米オープン」だ。ツアーの勝利でさえも、5年間という長いあいだ遠ざかっている。それでも、15年以来、3年ぶりとなる「全英オープン」に出場するだけでも、今のウッズは幸せを感じている。

腰の手術を受けたのは、14年から数えて4回。だからこそウッズは、すべてを受け入れることができる。目の前にどのような障害が立ちふさがったとしても、ただ前を向き、突き進む。自身のゴルフでさえアジャストし、適応していけるようになったのだ。

ウッズは、今大会がメジャー15冠目に非常に近い位置にあることを十分に理解している。しかしその一方で、42歳になったベテランゴルファーは焦る様子はまるでない。

08年のミュアフィールド大会。当時53歳のノーマンは、3位タイで同大会をフィニッシュ。その1年後のターンベリー大会では、プレーオフの末にスチュワート・シンク(米国)に敗れとはいえ、ワトソンは当時60歳だった。

だからこそ、ウッズは現状を楽観視できる。健康体であれば、チャンスはまだまだ訪れると…。

「もちろん、今大会は私にとってビッグチャンスとなる。だが長期的に物事を考えれば、ただのトーナメントでもある。もちろん上位進出を狙っている。全英オープンはロングヒッターでなくても、チャンスはある。オーガスタは大きなボールパークで、年を重ねれば状況は厳しくなっていく。しかしリンクススタイルのコースであれば、転がして距離を稼ぐことができる」

ウッズなりの持論は、過去の大会を見ても納得できるものだ。

「歳を重ねても、こういったコースでは距離が出る。クリエイティビティーも重要な役割を担う。グレッグ・ノーマンやトム・ワトソンを見ればわかるはずだ。トムが全英で5勝でき、60歳でも優勝寸前までたどり着いたのには理由があるんだ。私は、昔からリンクスが大好きだったし、こういったゴルフは一番のお気に入りだ。挑戦意欲を掻き立てられるのが、たまらなく好きなんだ」

18年前。聖地セント・アンドリュースで初のチャンピオン・ゴルファー・オブ・ザ・イヤーに輝いた際には、2位以下に8打差をつけて誰も目にしたことのないような圧倒的な強さを見せつけた。

05年には、同じくセント・アンドリュースで全英2勝目を勝ち取り、その12か月後にはロイヤル・バークデールで3勝目を飾った。

ウッズにとって今大会は4度目のカーヌスティ。1995年にアマチュアとして挑んだ「スコティッシュ・オープン」で初めて出会った難コースと、ウッズは再び恋に落ちている。

「全英オープンに戻ってこられないのではと思ったことはあった。テレビ観戦も悪くないが、実際にプレーするのとは違う。優勝の可能性がある、しびれる状況で、最終ホールに入る感覚は忘れない。もう2度とメジャーの舞台に戻れないかもしれないと考えたこともあったが、今年はこうして3度目のメジャーに挑んでいる」

復帰から、完全復活への道のり。

「試合に出るたびに、調子は上がっている。(定期的に)ゴルフが出来ているから、徐々に感覚がよくなってきているのが分かる。自分のゴルフ、体、スイングが分かってきている。あと少しシャープなゴルフができるようになれば、どう転ぶかは分からない」

傷の癒えた虎が、文字どおり“虎視眈々”と優勝を狙う。