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26年ぶりのイングランド勢制覇へ、トミー・フリートウッドが猛チャージ
一気に優勝争いに浮上したトミー・フリートウッド|(撮影:GettyImages)

<全英オープン 2日目◇20日◇カーヌスティGL(7402ヤード・パー71)>

初日、首位に立ったケビン・キスナー(米国)に6打差をつけられて残念がったトミー・フリートウッド(イングランド)。しかし2日目は、フィールド中最少ストロークの「65」で順位を一気にジャンプアップ。キスナーを含む首位グループに1打差の3位タイにつけている。


前後半で3バーディを奪いボギーなしのラウンド。18番ではロングパットを沈めて、ギャラリーを沸かせた。

「65の数字にはハッピーだよ。初日はグリーンまでたどり着くのに苦しんだけど、昨日ドライビングレンジでみっちり練習した成果が出たね。タフなコンディションを考えれば、今日のラウンドはとても良かった。最終ホールでバーディが取れたのはボーナスだった」

気の早いイングランド人のファンは、フリートウッドのメジャー初タイトルの話をしている。しかし本人は「まだハーフターン、36ホールのみ終わっただけ。でも、初日の借りを返して上位争いに食い込んだし、今日のようなプレーができればチャンスはあると思う」と振り返った。

イングランド北西部の海辺の街、サウスポートで育ったフリートウッドは幼いころからリンクスコースでプレーをしてきた。昨年大会の会場となったロイヤル・バークデールは、父親がいまだに犬の散歩で使うほどの地元である。それだけにホームタウンのファンからの声援とプレッシャーは特大だった。

結果的に、4度目の「全英オープン」にして初の予選突破に成功したものの、最終順位は30位だった。だが、あれから12カ月がたち、その間フリートウッドは欧州ツアーの賞金王に輝き、世界ランクのトップ10に食い込んでいる。先月の「全米オープン」では2位に食い込み、最終日にはコースレコードとなる「63」の好スコアをたたき出した。

とはいえ、もし全英開催コース屈指の難関とされるカーヌスティで、2日目と同様のラウンドが週末の間にできれば、これらすべてを越える偉業達成となる。

昨年10月に同コースで「アルフレッド・ダンヒル・リンクス選手権」でコースレコードの「63」をたたき出したとおり、27歳のイングランド人はこのコースとの相性がめっぽういい。そのためだろうが、この日は強気のゴルフで攻め続けた。雨の降りしきる1番のティグラウンドでは、ドライバーで目の覚めるようなティショットを放ち、勢いが出た。

中でも17番は圧巻だった。コース内でもハードなホールとして知られるが、キレのあるアイアンショットを2発放ち、グリーンでも落ち着いて2パットでパー。余裕を感じさせるパフォーマンスだった。

そんなフリートウッドが一番欲しいタイトル。それは世界最古のメジャーだという。

「もし人生で一度だけ勝てるとしたら、全英オープンを選ぶ。でも昨年はプレッシャーがとても大きかった。最近は好調を維持していて、素晴らしいゴルフをしてきた。自分を褒めてあげたい。メジャーを制するにはプレッシャーに打ち勝たなければいけないのも知っている。何にしても、誰も注目していないよりはぜんぜんマシだ!」

今大会では3年ぶりに出場のタイガー・ウッズ(米国)人気が絶大。だがフリートウッドも負けてはいない。

「優勝争いに加われて満足だ。(きょうの数字は)コースレコードじゃないけど、“とりあえず”はいい」

トレードマークの長髪を揺らしながら笑ったフリートウッド。1992年のニック・ファルド以来、26年ぶりのイングランド人制覇という大挙は、もちろん視野に入れている。