2018年の「アジア・パシフィックアマチュア選手権」で優勝し、今年の第148回全英オープン出場を決めた金谷拓実選手(東北福祉大3年)。21歳の目に映った最古のメジャーとは? 日本公式サイト独占のコラムをお届けする。
幸せな練習から一転……
17日(水)、本番前の最後の練習日。今日は松山さんと一緒ですが、ついにきました。強風と雨です。昨日までは幸せな練習でしたが一転ですね。でも、これが「テレビで見ていた本来の全英の姿」かと思えば、つらいけれども緊張感は途切らせるわけにはいきません。
最後の練習日に全英らしい天候。いい経験になりました
とにかく経験あるのみ。16番はグリーン右に深いブッシュが生い茂る崖が待ち受ける、非常に厳しいパー3です。ここで、小学生以来となるドライバーでのティショットも打ちました(1球はグリーン右手前のラフ、もう1球はグリーンをヒット)。どんな天候にも対応するために必死です。ほかのホールでも番手を替えながら、数球ずつ打ってみました。
いよいよ明日は開幕。決戦に向けてしっかり体を休めます!
試合には集中できたけれど……
18日(木)、ついに全英オープン初日を迎えました。8時、いつものように借りている家で、監督(阿部靖彦氏)の手作りの朝食で決戦前の腹ごしらえです。
監督手作りの朝食で、いざ出陣!
ちなみに開幕前は、コースから車で10分ほどのレストランなどでも食事しました。こちらは食事があまり……というイメージがあったのですが、意外にもすべておいしい! それはともかく、全力を尽くすのみで初日に臨みました。
結果はアウト37、イン36の73で2オーバー。なかなかチャンスにつけることができず、最後もボギーと少し悔しいラウンドでした。
天候は安定しなかったけれど昨日の練習ラウンドが一番難しかったので、しっかりゲームに集中してプレーできた。ただ、イージーなところから寄せることができずにボギーにしてしまったところもあったので、それを明日はなくしていかなければいけない。
初日は2オーバー。明日は頑張らないと!
順位的には72位タイと予選通過圏外。2日目、必死に頑張らなければいけません。
最終ホールのパットが……
19日(金)、全英オープン2日目。同じように監督手作りの朝食をいただきながら、まずは予選通過を誓いました。
今日も監督手作りの朝食。本当にありがたいです
しかし、残念ながらイーブンパーの71、通算2オーバーの74位タイで、カットラインに1打及ばず予選落ち。とにかく後悔しかありません。
まず、最終ホールのパーパット。4メートルぐらいの上りのフックラインで、しっかり打つことはできましたが、結局は外れてしまいました。あくまでも結果論ですが、入っていれば1オーバーで予選を通ることができた。
本当に入れたかった……
次に、10番から12番まで3連続バーディを奪い、その後も自分では気を引き締めていたつもりだけど、14番、16番、そして18番でそれぞれボギーをたたいてしまった。最後の5、6ホールは乱れてしまったし、自分を信じて打ち切ることができなかった。
予選カットラインを考えなかったといえばウソになる、でも、最後まで諦めずにプレーしようと考えていたのに、最後は自分が崩してしまったのが悔しい。まったくいい経験にならなかったし、自分がいいプレーをできずに終わってしまったから、余計に腹がたってしまう。マスターズのときは自分らしいプレーを最後までして予選を通った。それと比べれば、今回は不甲斐(ふがい)ないの一言です。
同年代は早くも活躍している!
残念ながら初めての全英オープンは予選落ちでしたが、翌日20日(土)も会場に赴き、練習場でショットとパター練習を行いました。
あらためて2日間を振り返ると、まだまだボクには全部の面で足りない。逆に、技術面とかで足りていたら予選を通過していたはずなので、ある意味、この結果は納得しています。
そして21日(日)昼に現地を出発してダブリンに向かい、翌月曜に帰国の途へ。23日(火)夕方に日本へ到着しました。今回は残念な結果に終わりましたが、同年代の選手はどんどんプロ転向して、すぐに活躍している。この前はマシュー・ウルフ(米国)が勝ったし、コリン・モリカワ(米国)も頑張っている。そういう世界にすぐ飛び込めるように、このアマチュアの時間を大事にしないければいけない。下を向いている時間はありません。あらためて決意を込めた今回の全英オープンでした。
7月23日の夕方に日本へ戻ってきました!